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一度も私から目を逸らさずに
そう言ってくれた勝利
私の心臓はありえないほどうるさくて
勝利に聞こえているんじゃないかとまで思う
嬉しすぎて海まで走り出してしまいそうな衝動を抑えて
必死に言葉を紡ぐ
『私で良ければ
よろしくお願いします…』
その途端にその場にしゃがみ込む勝利
『え、ちょっと
大丈夫、?』
勝「よかったーーー
まじで良かったー
やばい、めっちゃ嬉しい、」
想像以上に安堵して喜びを噛み締めてくれている勝利に
思わず笑みが溢れてしまう
『私も
すっごい嬉しい
本当にありがとね』
勝「やばい、俺まじで超緊張した…笑」
『ふふ笑
ありがとう』
勝「ううん、俺の方こそありがと」
勝「よし、帰ろっか」
『、うん』
すっかり暗くなり、涼しくなった夏の中で
火照る顔を必死に冷まそうと試みながら
勝利と並んで歩いた
歩いているうちに手と手が触れて
気付けば勝利の手がしっかりと繋がれていた
今までとは違って
恋人繋ぎで
恥ずかしくなってしまい勝利の顔を見れない私とは対照的に
勝利は柔らかく微笑んで
少しだけいたずらっぽい笑顔を浮かべていた
空を見上げれば星がキラキラと輝いていて
『綺麗だね』なんて言い合いながら
この手が解けないように
少しだけぎゅっと力を込めた
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作者名:フレーズシュクレ | 作成日時:2022年6月28日 0時