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いつもはまっすぐ進む道を曲がると
そこを抜けた先には大きな塔があった
上に上がれば
住んでいる周辺を見下ろせるほどの高さがあった
日も沈んできて
学校より向こう側は灯りがいくつも輝いていて
私たちの家側はまばらな灯りと海の水面がキラキラと光っていた
2人とも吸い寄せられるように
しばらくその景色に見惚れた
『海も好きだけど
たまにはここにも来たいかも』
勝「そうだね
俺たちってさ、風景眺めるの好きだよね
教室でもいつも窓側の席選ぶし
帰りも毎日海見てるし」
きゅひっと微笑んだ勝利の横顔は
いつしか大人っぽくなっていて
心臓がとくんと高鳴った
『私も結構好きかも
なんか、海とか眺めてるとさ
悩みとか全部流してくれる気がする』
勝「流したらだめだろ笑
でもわかるかも
考えがまとまるっていうか
感情が落ち着くよね」
『そうそう
それが言いたかったの笑』
それからまただらだらと喋って
気付けば外はすっかり暗くなっていた
勝「そろそろ帰ろっか」
『だね、
もしかして聡の方が早く帰ってたりしてね笑』
勝「あり得る笑」
いつもと違う道を通って
2つ影を並べて
私たちの家に帰った
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作者名:フレーズシュクレ | 作成日時:2022年6月28日 0時