青い恋人２ Shori.S (ページ2)

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2人以外に友達がいなかった訳ではないけれど

とにかく2人が

なんとなく特別な存在だった

それは中学生になっても高校生になっても変わらなかった

だから3人で過ごした時間自体が

私の成長記録みたいなもので

たぶん私の青春の全てだった

中学生になってから

聡はサッカー部に入って

必然的に勝利と2人で過ごす時間が増えた

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勝利と2人で歩く帰り道が当たり前になってきた夏頃

勝「A去年まで部活入るとか言ってなかった？」

『うーん、言ってたかも

でもあれは漠然と憧れてただけかな』

勝「まあ、A気分屋だからね

そんなことだろうとは思ったけど」

勝利は全て見透かしていたようにきゅひっと微笑む

『勝利こそ、部活入らなくて良かったの？』

勝「うん、そんなに入りたい部活なかったし

Aと一緒に帰れなくなるじゃん」

『そんな理由？

まあ私も帰り道一人にならなくて良かったけど』

内心ちょっと嬉しかったくせに

可愛げのない私は

"私も勝利と一緒に帰りたかった"とは

言えなかった

勝「ねえ、

今日ちょっと遠回りしよ」

『ん？いいよ

どこ行くの？』

勝「わかんない

いつもと違う道通るの」

『良いじゃん、楽しそう』

昔からの癖で

私の手をとって歩き始めた勝利

いつもと違う道を歩いているからなのか

久しぶりに繋がれた右手が気になってしまうのか

理由はわからないけど

私の鼓動はいつもより速く動いていた