もう一度君に会えるなら…2 (ページ32)

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血を流し続ける傷 uｰknow ページ32

それから間もなく少し落ち着いてきたゆいの瞳がそっと開いていく。

「オッパ…？どうしたの？
おかえりなさい。」

俺はまた驚いた。
今までのゆいが嘘のように語り掛けてくる。

「ゆい、気分は？
夢を見てうなされてた。」

「夢？覚えてない。
二人とも明日も早いでしょう？もう寝て。」

そう言って俺達を休ませようとする。
そんな風にゆいはずっと俺たちに
自分の限界を伝えずにやって来たのか。

「ゆい、もう頑張らなくても良いんだよ？
充分お前はやってくれてる。」

俺はそう言ってゆいを抱き締める腕に
力をこめる。

「辛いときは辛いって言って良いんだ。」

「つらい…？私…が？」

ゆいの瞳が揺れる。

「あ…わたし…辛くなんてない。
私頑張らないと…
あぁ、苦しいなんて言っちゃ…
ダメーーーー！！」

ゆいは俺の腕の中で頭を抱えて叫び出す。
チャンミンが驚いている。

「ゆい？大丈夫？ゆい！！」

ゆいの息が荒くなる。

「あぁ、わたしが弱いから…」

そう言って意識を失った。

俺達はただゆいを見つめて
呆然とするしかなかった。

ゆいが壊れている。

俺達の心にはもうその言葉しか
思い浮かばなかった。

ゆいの昔から積み上げた傷が
今もかさぶたを作らずに血を流し続けている。