【UnderTale】無気力な二人が織り成す物語 3

得心 ページ23

Aside

「…なぁ、A…
お前さんは…何処にいるんだよ？
近くにいるんだったら…何でもいいんだ
此処にいるって、教えてくれよ。」

虚空から視線を落としていくSans。
その中に自ら入っていく。
此処にいるんだよ、と。
視線が交差したように感じても、
その白い光には自分が映っていない事は
分かりきっているのに、諦めきれず
自分の存在をアピールし続けた。

体勢が崩れたSansは体育座りで
だらしなく座り込んでいる。
その背にくっつけるように、
自分の背中を当ててみた。

背中に伝わる筈の体温は感じない。
放り出された手を握っても
温かさは分からない。

…まさか自分まで、
感じられなくなっているなんて。

「…約束したのにね。一緒にいるって。
…Sansはずっと探してくれていたのに…
…私は……何て事を。 」

自分の犯した罪に漸く気づく。

私は皆が幸せになる〈HappyEnd〉を
理想として行動してきた。
皆がそれをどう捉えているかなんて
…一切考えずに。
導きだした答えは自分を犠牲にしてでも
望む〈HappyEnd〉を迎えること。

…結局それは、間違いだったんだ。

それは私が望んだ〈HappyEnd〉で
皆が望んでいたモノとは
全く異なるモノだったんだ。

帰ってきてくれ、と望んでくれた
Sansの本心を聞いて、
改めて知る事ができた。

自分が必要とされている事に。

Sansが私を視可できるように
なったその暁には謝らなくちゃ…
そう決めた次の瞬間、
研究室のドアが激しい音を
立てながら大きく開いた。

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