Room 269 ページ15
Aside
歩き慣れた地下の道を
目的が無いままに足を動かす。
「…っうぁ…!」
本当に突然、突き刺さってくるような
耳鳴りが私を襲ってきた。
あまりの不協和音に眉をひそめ、
耳を両の手の平で包み込んだ。
そうしている内に徐々に音が止み
包み込んだ手の平をゆっくりと外した。
…何だったのだろう?
煩かった耳鳴りは消え去り、
辺りは水の流音と静寂に満ちている。
少しずつ、少しずつ。
不安がじりじりと忍び寄って
来ているような気がする。
視界に、Waterfallに、
相応しくないモノが入った途端、
失った筈のSoulが、
ビクリと跳ねたように錯覚した。
─灰色のドア。
Waterfallの土壁に
埋め込まれたような古びたドア。
シュールというより、不気味さが上回り
何だか異様な光景だ。
Ghostになって初めて〈躊躇〉を
感じながら、ドアノブに手を掛ける。
ギィ…と古びた音を
立てながらドアは容易く開く。
その扉の奥は…
奥は、暗闇が広がっていた。
ドアの周囲は明るいのに
ドアの中だけは真っ暗闇で、
その先の闇の向こう側から
肌を震わす冷たい冷気が漂ってくる。
暫く立ち尽くし、中の闇を睨み続けた。
次第に少しずつ目が慣れ始めて、
真っ直ぐ道が続いているのが分かった。
ちょっと暗いけど、行けそう。
未だ震える肌を擦りながら
真っ暗な闇の中に一歩、踏み出した。
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真冬のハイビスカス(プロフ) - え、すご。好き。何これタヒねる((( (2022年3月12日 10時) (レス) id: 8fca6226df (このIDを非表示/違反報告)
5884 - うわああああああああ!!ー神いいいいいいいいい!!! (2020年11月19日 7時) (レス) id: 46a9b0887f (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 6AB72D11L8DG5r6さん» 最後まで読んで下さってありがとうございました!別作品も良かったらどうぞ。 (2019年5月10日 7時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
6AB72D11L8DG5r6(プロフ) - やばい!すごい!めっちゃ面白かったです!!! (2019年5月9日 23時) (レス) id: 2653006338 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - Ro:Aさん» 最後まで読んで下さってありがとうございました(///∇///)次回作でお会いしましょう! (2019年2月25日 7時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年1月1日 15時