33.ドS帝王現る。 ページ33
.
「…まず飲み込めよ。」
もーぐもーぐ。
あんきもをずっと味わっていると
流石に痺れを切らしたようで催促される。
惜しいけど飲み込む。
うわ、超美味でしたわ…
「で、本題と言うのは…？」
「せっかくの飲みの場でこんな話
したくねぇけど…ごめんな。」
急に改まる部長。
はぁ、っと一息吐いてから
言葉を綴られる。
「…お前俺に嘘ついてない？」
ピタッと思わず止まる動作。
その"嘘"と言うのはきっと
遅刻の理由の嘘…
"ペット拾いました"話の件だと思う。
もうアレから1週間
経ったから事項っていうか
頭からすっかり抜けてたのに。
時差がだいぶ凄くない！？
困りつつも答えを探してると
真剣な目で見つめられる。
良いのかな、嘘ついてて。
事情を言えば櫻井部長は
分かってくれるんじゃないの？
ふと、そう自分に問いかけられ
見つけた答えは頷くこと。
「ん…何で分かったか知ってる？」
「いえ…全く。」
「あの夜お前のこと見たの。
お前と同じ家の方向の神崎送ってたら
男の腕を引っ張って走ってた奴が居て。
よーく見たらお前なんだもん。」
な、ん、と。
見られてたんですかマズイ！！！
どんな展開なのホント…
とにかく落ち着け、私。
見られてたなら仕方ないよね、うん。
必死に自分の心拍数を抑えるように
宥めては口を開く。
「…嘘ついてすみません…
本当はその人事情があって困ってて…
それで私が勝手に居候させたんです。
で、朝起きたらすっかりその出来事
頭から抜けてて、話したら思い出して
バタバタして…遅れたんです。」
「なんで正直に言わないわけ？」
「何言われるか分からないし…
信じてもらえるかどうかが。」
「…信じるから言えよ、嘘つくなよ…」
その言葉を聞いて
張り詰めていた心がふわりと
軽くなった。
部長はかなり理解がある人すぎる。
懐が広い。
すみませんでした、とペコリと
頭を下げて部長を見れば
満足そうに笑ってる。
ひとまず安心安心…って
ん？待てよ？
「部長…私の嘘を分かってて
会わせろとか言ってたんですか？」
「ん？あー、うん。
俺に嘘付くとか超ムカつくじゃん。
だから意地悪しただけ。」
いたずらっぽく笑う部長。
この人どんだけドS帝王なんだ本当！！
34. 惚れた弱み…side S→←32.星屑ロンリネスでは無い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きりりん(プロフ) - チェリーさん» ふぎゃあああ、コメありがとうございます！！そう言って頂いて光栄です｡ﾟﾟ(*´□`*｡)°ﾟ｡モテモテなのはきっと作者の願望だからですね！笑これから智くんが色んな顔見せてくれると思うのでこれからも読んでやってくださいね！ (2017年4月8日 18時) (
レス) id: f5be3d2d1d (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - こんにちは！！この作品、昨日あなたへのオススメに出ていて、昨日から見させて頂いております！モテモテな主人公ちゃんが羨ましいですね…笑この作品の智くん、ほんとに大好きです！これからも頑張ってください！ (2017年4月8日 18時) (レス) id: a0fb27e534 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きりりん
| 作成日時：2017年3月26日 10時
