15.関係性 ページ15
.
カチッ、カチッ。
時計の秒針の音が部屋に響く。
それ程静けさがあるリビング。
ソファに座る二宮は何だか
ご機嫌斜め。
何故だか手に箸を持って
棒立ちの大野さん。
そして私はそんな二人を交互に見ながら正座。
カチッ、カチッ。
長い沈黙を破ったのは。
「…A…ちゃん？、ちょっとこっち。」
大野さんだった。
まだ呼びなれてなさそうな言い方で
ふわりと笑って手招き。
チラッと二宮を見ながら、
いそいそとキッチンの方へ。
なんだか、変な気持ち。
「…ニノと同じ会社だったの？」
「え、あ、はい。
てか知り合いだったんですか…？」
「ん…大学のね、同じサークルの後輩。」
「…同じサークル…。」
不思議な繋がりだな…なんて思ってると、
んー、と頭上から声がした。
どうしたんですかって聞いてみると
んふふ、と笑う大野さん。
どうしたんだろうかプラズマクラスター。
「…いやぁ、困った…」
「ですよね…困りますよね…ごめんなさい。」
「ん？いや、良い意味でね。笑」
「この状況がですか？」
「違うよ、ビックリした。」
どれにビックリしてるのだろうか。
なんだか噛み合わない掛け合い。
頭上にクエスチョンマークが
飛び交っていると突然大野さんが
私の耳元に口を近づけた。
近い、近い近い近い！！
ふわり、同じシャンプーの匂いがした。
「…だっておいら達
付き合ってるんでしょ？」
ふふ、と笑っている大野さんの
その言葉にボフッと
一気に熱が顔に集中した。
そうだ、事情を説明せねば！！
これは、あかん！！
「す、すみません！合わせてもらって！
実は、あの…事情を言いますとね…。」
「ん、いいよ、ゆっくりで。」
「…なんとか二宮が
家に来るのを阻止しようと、彼氏と
同居してるって嘘をついてですね…。
そしたら予想外な事が起きまして…。」
「ふはっ、結果的にこうなったんな。笑」
「…すみませんでした…。」
「んふふ、良いの。」
頭をポンポンと撫でられる。
これじゃあまるで、ホントに。
ついつい目を大野さんから
外すとバチッと二宮と目が合った。
それはそれはじとーっとした目。
ぷぅーっと膨らました口が開く。
「…俺は蚊帳の外なワケ？
ラブラブしちゃってさぁ…
あーあ、つまんね！」
「違っ！」
「んふふ、妬くなよ。」
「妬いてねぇわ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きりりん(プロフ) - チェリーさん» ふぎゃあああ、コメありがとうございます！！そう言って頂いて光栄です｡ﾟﾟ(*´□`*｡)°ﾟ｡モテモテなのはきっと作者の願望だからですね！笑これから智くんが色んな顔見せてくれると思うのでこれからも読んでやってくださいね！ (2017年4月8日 18時) (
レス) id: f5be3d2d1d (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - こんにちは！！この作品、昨日あなたへのオススメに出ていて、昨日から見させて頂いております！モテモテな主人公ちゃんが羨ましいですね…笑この作品の智くん、ほんとに大好きです！これからも頑張ってください！ (2017年4月8日 18時) (レス) id: a0fb27e534 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きりりん
| 作成日時：2017年3月26日 10時
