* Sparkle * +1 (ページ15)

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『おじゃま、します……』
「誰もいないんだからそんな緊張しなくても(笑)」
『誰もいないから緊張してるんじゃん』

誰もいないわくの家に着いた。
何度も来ているのに、わくのままのいらっしゃーい！って声が聞こえないとなんか別の家みたい。

『わくは緊張してないの？』
「……んー、まあ自分家だし」

うそだ、わくの目がちょっと泳いだ。
友達だった期間が長すぎて、お互いにまだ意識しすぎている気がする。

『お腹すいた？』
「うん、」
『じゃ、キッチン借りるからわくは座ってていいよ』
「手伝う？」
『じゃまされそうだからいい』
「しねーよ！」

だってふたりでキッチンに立ってなんか恥ずかしいじゃん。
新婚さんみたい、……なんて変なことを考えるのはやめとこう。

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わくのママに教えてもらった、わくの好きなご飯を作ってみた。
わくがいない隙に遊びに来て色々教えてもらっていることはきっと知らないだろう。

「そんなに見られると食べづらいんだけど、」
『……はやくたべてよー』
「じゃ、いただきまーす！……あ、これ」
『どう？』
「好きな味、てか元木家の味」

そう言ってもらえると練習した甲斐があったな。
弟にこれもう飽きたんだけど、って言われたけど。

『良かった、』
「練習してくれたの？」
『わくのママ料理教えるの上手だから』
「……マジか、」
『なに？』
「……俺のためにこうやって、なんかしてくれるのめちゃくちゃ嬉しい」

好きな人のために頑張りたいって思うのは当然のことでしょ？
でも、喜んでもらえてよかった。

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