紺青の拳【名探偵コナン】

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『次から次に……って他にも事件があったんですか？』



リシさんに聞いて見ると、彼は神妙な面持ちで答えた。



｢……レイチェルさんが殺されたんです｣

『え！？』




レイチェルさんって確かレオンさんの秘書だった人だよね。

どうして彼女が……



レイチェルさんは、宝石が保管されている金庫室に倒れていたらしい。




『犯人は見つかったんですか？』

｢…犯人は怪盗キッドで間違いないと思っています｣

『え…？』




なんでそんな話になってるの…？
嘘だ。
キッドは殺人はしないはず。

快斗がそんなことするわけない。




「キッドはどうなったの？」




アーサーくんが尋ねる。




「あと少しのところで逃げられてしまったらしい。
今も捜索中……って、坊や。もういい加減帰る時間だよ？」



ヤバイ、と言うようにアーサーくんは顔を歪めた。



あれから快斗とはあの場で別れちゃったけれど、ちゃんと逃げられたかな…。

キッドと一緒にいる姿が見られたら在らぬ疑いをかけられるかもしれないから、って言われてその場を離れたけど近くにはまだ警察がいたはずだ。


それにあの怪我だって相当出血していたから、ちゃんと手当てしないと…。




「A？」

『……。』

「Aってば！」

『え、あ…なに？』



考え込んでいて蘭が呼んでいるのに気づかなかった。
蘭は心配そうに眉を寄せて私を見る。




「どうしたの…？プールのときから変じゃない？何かあったなら話して？」




勘のいい彼女のことだ。下手なことは言えない。




『ありがとう。でも、なんでもないの。
殺人事件まで起きるなんてちょっとびっくりしちゃって……』




こんなに心配して貰っていながら、嘘をつくのには罪悪感を感じるが、こんなこと誰にも言えるはずない。




「そう……でもいつでも相談に乗るからね」




何かを隠していることはバレているようだが、あっさり引いてくれた。

蘭はやっぱりどこまでも優しいな。




『うん、ありがとう』




嘘ついて、ごめんね。

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