In The Rain 2 [Fuma.K]

交差 4 ページ29

「………わたし、わかった」




聡「え？」




「たぶん。全部わかったよ。」




聡「……………行くの？」






聡が目をやった窓の外は相変わらず雨だった。

やっと乾いた髪をきつく結び直す。







「………行かなきゃ。」







聡は、悲しい顔をして、ぎゅっとわたしを抱きしめた。






聡「しおり…………？」




「……ん？」





聡「………昨日は、ごめん。

びっくり、させたよね」








わたしはその生温い感覚を思い出してすこしだけ怖くなった。

聡が何かを言う前に、伝えるべきだと思った。






「聡は………大事な友達だよ。

聡だから、このこと、話せた。」







聡は、もう一度だけぎゅ、と抱きしめて、わたしを解放した。


言葉にならないほど優しく、胸が締め付けられる。








聡「……そうだよね。ちゃんと、話しておいで」






ごめんね、聡。


でも、わたし、風磨のところへ行かなきゃ。








「こんな話、聞いてくれてありがとう」






聡はにっこりと、いつもみたいに笑って、ううん、と言った。

わたしも思わず笑顔になる。



聡は、大切な友達だ。







聡「今度はちゃんと、傘、持ってきなよ」







わたしはしっかり、うん、と頷いた。

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