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殺、された…………？
.
わたしは力の抜けていく足で一歩二歩と後ずさる。
それが精一杯だった。
「……そんなはずない！そんなの嘘！」
「嘘じゃないよ？
きみの大切なお兄ちゃんは風磨のせいで死んだんだよ」
「え……………？」
死ん、だ………………？
風磨のせいで………？
何から理解していけばいいのかわからなかった。
お兄ちゃんは死んでしまったの？
本当にもうここには戻ってこないの？
そしてお兄ちゃんを殺したのは、風…………
「中島やめろ！」
横から叫ぶような声がしたかと思うと、風磨が玄関に立っていた。
その顔を見て、わたしの足からは力が抜けて、へなへなと座り込む。
「だって本当のことでしょ？お前が殺したんだよ」
そう言い放つ先輩の声は冷めきっていた。
風磨は玄関から飛び出して、雨の中、先輩の胸ぐらを掴んだ。
「やめろっつってんだろ！
こいつにだけはその話はすんじゃねえ！」
こんなに怒ってる風磨を初めて見た。
そうか、風磨は強くなったんだっけ。
風磨はもうわたしを守ってくれるようになったんだ。
でも。
「そう言うってことは……ほんとなんだね、風磨」
いま先輩が言ったこと、ほんとのことなんだ。
だから、その話を隠そうとするんだ。
風磨が知られたくなかった過去は、それなのかな。
わたしは力なく、へへ、と笑った。
「違う！しおり、こいつの言ってる話は……」
「風磨。わたし、思い出したよ、風磨のこと。」
風磨は驚いたような、困ったような、悲しい顔をした。
風磨のサラサラな髪が、雨でじっとりと濡れて、頬を雨が伝った。
「………そっか。」
風磨が悲しく笑った面影がお兄ちゃんと重なる気がした。
でも、お兄ちゃんはもう、いないんだね。
この間、風磨がわたしに呟いた言葉の意味を、わたしはようやくいま、理解した。
"俺で、ごめんな"
「……………ごめん、わたし、やっぱり風磨のこと」
好きには、なれないや。
ごしごしと腕で拭ったのが、涙なのか雨なのかわからない。
いつもいつも雨だ。
あの日も雨だ。
涙と雨が混ざる時はいつだって悲しいね。
わたしは逃げるようにその場から離れた。
風磨の悲しい目と、先輩の冷たい目が、雨粒のはるか向こうに見えた。
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☆ - 知りたい2【何かあったんじゎないかな】→あったんじゃないかな、 嘘と嘘5【はっと我に帰る】→我に返る だと思います (2019年6月23日 19時) (
レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
news 唯ちゃん 神(プロフ) - 今見たら再新の漢字違いますね(汗)はい！もう再新された瞬間きますよ！？笑 (2018年3月29日 8時) (レス) id: f16c501272 (このIDを非表示/違反報告)
マゼンダ(プロフ) - news 唯ちゃん 神さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると更新頑張れます〜！！出来るだけ頻繁に更新目指すのでよかったらチェックしてください（＾Ｏ＾） (2018年3月29日 2時) (レス) id: f72ec701de (このIDを非表示/違反報告)
news 唯ちゃん 神(プロフ) - 最新楽しみに待ってます...ずっと見逃せない展開ばっかで面白いです！！ (2018年3月27日 21時) (レス) id: f16c501272 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マゼンダ
| 作成日時：2018年3月14日 0時
