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『おは、よう。』
不覚にも言葉が詰まってしまう
そんな私をさっさと通り越して勇太は自分のデスクへ向かった
…本当に朝から心臓に悪い。
もう一度ゆっくりと深呼吸をして
私も自分のデスクへと足を運ぶ
あれ、香織、今日はまだか。
パソコンの電源を入れて
クルクルと回る読み込み中のマークを見つめる
そう、欠陥品。
自立した女性でも
子育ての成功例だとしても
それは単なる私の代名詞みたいなもので
そんな代名詞、贅沢なのかもしれないけど。
人の憎しみの大半は
その対象への嫉妬なんだと思う
人並みに女子というコミュニティの中で
うまくやってきたから分かる
あの子が可愛いとかスタイルいいとか
お金持ちだとか大手就職先だとか
けど結局はそういう子たちの弱みを見つけて満足する
私は嫉妬されるであろうものを全て持っていたけど
僻まれたことなんて一度もない
全て持ってる自分が偉いとかそんな風には思わなかったし
そもそも手に入れたんではなく与えられたものだったから
それに女子の中で立ち回るのがうまいんだ、って
そう思ってたけど
全部、違った。
明らかに世の中の人より劣った
人間としての欠陥が私にはあった
資料の束を整理する姿が視界に入る
自分がそんな人間だなんて
勇太に出会うまで気付かなかった
世間でタブーとされている道を
自ら選んでしまうような女だったなんて。
けどきっと、今まで
嫉妬や憎しみの対象にされなかったのはきっとこういうことで
もちろん私のしてることなんて、みんな知りやしないんだけど
世の中から排除される欠陥的存在だということを
周りは空気のような目に見えないもので感じ取れていて
きっとそれが私の弱みでもあったんだと思う
それを自分でも気付かないまま大人になって
気付いた今も動じずに過ごしてる私はきっと
鈍感なんて可愛い言葉じゃなくて
本物の欠陥品だ
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ららちゃん(プロフ) - rainbow roseからこちらも読みました！こちらの作品もまだ序盤ですがもうおもしろい、見入ってしまう作品です！私、海羅さんの考える物語、作品が個人的に大好きなのだと思います！なので更新されるの楽しみに待っています！ (2018年7月16日 16時) (
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作者名：海羅
| 作成日時：2017年8月4日 5時
