青に染まる - 同居編３ - (blue)

先輩にとってわたしは ページ10

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前から思ってたけど、先輩からしたら
わたしって妹みたいな感じなのかなぁ。



もやもやが心のなかで膨らんでいく。

そう思った直後に、先輩が続けて言った。




「…妹みたいとか思ったことなんか
一度もあらへんよ」




え




『うそ…透けてる…』


「今、口に出してたやんか(笑)」



A、透けてるとか透けてないとか
よく言うよなぁって笑われた。



やばい、だいぶ熱にやられてる
恥ずかしい…



「Aは、俺のことお兄ちゃん
みたいって思う？」



そう言うと、撫でていた手が頰から
首筋の方に流れたから、くすぐったくて
それ以上にドキドキ。


さっきよりも落ち着いて低くなった声。


いっつも女のわたしよりも可愛かったり
するのに、たまによく分からないタイミングで
すごく男の人の顔になるから戸惑ってしまう。


お兄ちゃんみたいって思ってたら
こんなに心臓が早く脈打つことはない。



『思ったこと…ないです。
せんぱいは、せんぱい』



また頬の上に戻った先輩の手に
そっと手を重ねて指先を握ると

先輩の大きな目が細められて
ふんわり笑顔になった。




その笑顔、すき。




「頑張ってはよ治して、BBQ行こな」



ふふって笑って
体勢を崩してわたしと同じ目線になると
頭をわしゃわしゃ撫でつけられた。



いつまでたっても先輩に
触れられるのは慣れなくて


ドキドキするけど、安心する。

不思議…








『せんぱい』



「ん？」



今なら…言えるかなぁ



『……………』



もっと意識はっきりしてる時に
言った方がいっか…



「…どしたん？」



『…わ、たし』



あれ、なんか



「…………」



『…せんぱいの、……こと…が………』



クルトンの歌が聞こえる…



「…………………」



『…………………』



「………Aー？」



『…………………』



「Aさーん？









……………マジかぁ」









せんぱいのことが、すきです。









夢の中でよく分からないクルトンの
格好をした先輩に伝えると



「僕は、クルトンのほうが好き！」



って満面の笑みで返された。


クルトンに、負けた。









「………続き、めっちゃ聞きたいわ」









現実の先輩は、なんて言うのかな









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