青に染まる - 同居編３ - (blue)

上がった熱 ページ9

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次起きたら案外スッと熱下がってたりして

なーんて安易に考えてたら
むしろ8度代まで上がってて。


寝て起きてを繰り返して何度目か、
部屋が暗くなってて、時計は見えないけど
先輩も寝る時間なんだって分かった。


いつの間にか隣に薄いマットレスが
敷いてあって、そこに先輩が寝転ぶと肩肘を
付いた手で頭を支えてわたしを見下ろす。



「これ、明日病院行ったほうがええかもなぁ」



力なく首を横に振ると
先輩は困ったように笑った。



「BBQ行かれへんで？」



そうなのです。
明々後日は昨日決まった
引越しメンバーでBBQ。



『ぜったい行く…』


「じゃあ治さなあかんなぁ」



なんか、ちっちゃい子と
するみたいな会話…



『うつったらダメだから、
ベッドで寝てください、ほんとに』


「俺がしたいようにしてるだけやしいいのー。
鍛えてるしそんな簡単に風邪ひかへん」



ぽわんと頭に浮かんだのは
雷雨の日見た、服を着る前の
上半身裸の先輩。

暗かったけど、綺麗に腹筋が割れてて
すごく鍛えられた身体だった。



…ダメだ、考えたら熱上がりそう



『バイトは…』


「ないよ」


『うそ…』



だって昨日、ホワイトボードに
書いてたの見たもん。

ばれたかって顔に書いて苦笑い。



「代わってもらってん。今日元々
1人多めにシフト組んでたし大丈夫」


『………すいません』


「なんで謝んねんさ。俺が勝手にしてる
ことやねんから、何も気にすることないで」


『……………』



迷惑かけっぱなしで何やってんだろ
情けなくて涙出てきた…


昔からそうだ。
体調を崩してる時って涙もろくなって。

学校から帰ってきたお兄ちゃんが
部屋を覗いて、わたしの頭を撫でてくれた
だけで涙が止まらなくなるの。

安心して。


「あぁ、もう泣きなや〜
しんどいよなぁ、可哀想に…」



熱を持ってあつあつの頰っぺたに
先輩の手の甲が優しく触れるのが気持ちよくて
目をつぶると、つぅっと涙が一筋こぼれた。



『小さい時、お兄ちゃんも、わたしが
熱出したら…こんな風にそばにいてくれてたの
思い出しました』



目をうるうるさせたままそう言うと
優しく微笑んで、こぼれそうになった
涙を指ですくってくれる。



「…そっか。」




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