線香花火と決意 ページ30
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へこんでいた数日後
部屋で作業していると、玄関の扉の鍵が
開く音にぴくりと耳が反応して顔を上げる。
我ながら犬みたいだわ。
「ただいまぁ、Aー！」
『おかえりなさい！』
入ってくるなりテンションの高い声に呼ばれて
お出迎えすると、後ろに手を隠して
前歯を見せてにーって笑う先輩の姿。
「じゃーん！花火〜！」
ガサッとビニール袋から取り出したのは
カラフルな手持ち花火のセット。
『わーーー！！！』
「この間みんなで行こう言うてた
花火大会、雨でなくなったやんか？
手持ちやけど今日せえへん？」
『するっしたいです！』
先輩から花火を受け取って
ぴょんぴょん跳ねて喜んでると
「子どもみたいやなぁ(笑)」
って笑われた。
もう、犬でも子どもでも何でもこい！
晩ご飯を食べ終わると近くの公園へ。
大きいものから火をつけていって
暗闇の中、キラキラ飛び散る火花に
わーきゃーはしゃぐ。
ペットボトルを半分切った水入れに
消えた花火を落とすと
シュボッて音が気持ち良くて好き。
芝生にしゃがんで
二人同時に線香花火に火をつけた。
『グループ展に出すんですか？
あの、青いキャンバスの作品』
ジリジリと上に向かって燃えていくと
オレンジの玉が大きくなって
小さな火花がバチバチ音を立て始める。
「え？あぁ、うん、そうかな」
『そうかなー？』
ふふって笑うと、手元が揺れるから
慌てて口を閉じた。
『だいぶペース上げてますもんね。
観に行くたびに表情が変わってて
楽しみです。』
返事がないから先輩の方を見ると
暗闇の中キラキラした瞳と視線がぶつかった。
その真剣な表情にドキッとして
パッと目をそらす。
『でも、無理はしないでくださいね？』
「…おん。ありがとうな」
そう言って静かに微笑むと
手元の花火に視線を移した。
先輩は、正面から見ると可愛らしいのに
横から見る顔は大人の男の人の顔。
綺麗な横顔を焼き付けるように
見つめていると
「なに、何かついてる？」
くすぐったそうに笑われた。
『なっ何でもないです』
.
決めたことがある
この短期留学に行く直前に
先輩に告白しようって。
もし
ダメだったら
振られたら
『あっ……』
最後の線香花火が、ふるふると震えながら
平らな地面に身を投げた。
『落ちちゃった…』
その時は、あの家を出よう。
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ひまわり(プロフ) - さらんさん» ホーム画面に！？申し訳ないくらい嬉しいです！！！(笑)わざわざコメントありがとうございます〜！ハッピーエンド大好きなので、二人はどんな試練も乗り越えてくれるはずです♪安心してお楽しみ下さい(o^^o) (2015年10月3日 17時) (
レス) id: 0e83d11206 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 彰§さん» むっちゃ嬉しいコメントありがとうございます！純愛編でも、この場面が好き！って言ってもらえるようなキュンキュンをお届けできるように頑張りますねー！(o^^o) (2015年10月3日 17時) (レス) id: 0e83d11206 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ほたちろさん» わたし自身、両想いの先書いてよおおぉ！って思っちゃうタイプなんですよ(笑)ありがとうございます照れます(￣▽￣)うまく書けるか分かりませんが、甘々な二人をお楽しみ下さい♪ (2015年10月3日 17時) (レス) id: 0e83d11206 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 椿 めいさん» わざわざコメントありがとうございます！楽しみのひとつにしていただけて嬉しいです〜(o^^o)少しずつの更新になりますが、これからも頑張りますね♪ (2015年10月3日 17時) (レス) id: 0e83d11206 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 山田まゆさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると更新頑張ろうって思えます(o^^o)純愛編もよろしくお願いしますね♪ (2015年10月3日 17時) (レス) id: 0e83d11206 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまわり
| 作成日時：2015年9月10日 23時
