家に帰ってから ページ18
.
待って、わたし
また口に………！
あっ、て思った時にはもう遅くて
遠ざかろうとしていた背中がぴたりと止まると
ぐるんってすごい勢いで振り向いた。
口に手を当てて、顔、赤！
それは、わたしも同じ。
っていうか、わたしの方がゆでダコ
みたいになってると思う。
『いや、あのっえっとぉ…先輩オシャレ
だし、ファッションアドバイザー的な感じで！
なんか、コメントもらおうかなぁみたいな』
訳の分からない身振り手振りを付けて
ペラペラ喋るけど
ううう、我ながら厳しい言い訳…
誰か話に入ってきて！って思うけど
みんな向こうの方でわちゃわちゃしてて
わたしと先輩のことなんか気にも留めてない。
「ほんまにさぁ…」
口に当てていた手を目の上にずらして
そのまま座り込んでしまうから
どうしていいか分からなくて立ち尽くしてると
もう片方の手で腕を掴まれて
強い力で下へと引き寄せられた。
これで、先輩と同じ目線。
目を隠していた手がそのまま、
濡れて、色の濃くなった銀髪をかきあげて
熱を持った鋭い目に捕まると
もう動けない。
ニヤッて弧を描く唇に見とれてたら
伸びてきた手に、首の後ろに張り付いた
後れ毛を指で絡め取られる。
「家帰ってから、ゆっくり見せて？」
『っ……………！』
耳に、息がかかった。
『やっ、やっぱりいいです！』
逃げるようにがばって立ち上がると、
川底のぬるぬるした石で滑ってよろけて
『ひゃっ…』
「おっと」
素早く先輩の手が腰に回って
こけずにすんだ。
距離、近いし
先輩上半身裸だし
脱いだ服は今わたしが着てるし
濡れた髪を上げてる先輩は
ただただカッコいいし
もう、だめ。
心臓もたない、本当に。
「みんなのとこ行こっか」
するっと腕が離れてわたしの手首を掴むと
数歩先を歩く、その広い背中を見つめる。
さっきまで先輩だって顏赤かったのに
いっつもそう、何もなかったみたいにさ
切り替えられちゃうんだから。
それって、先輩には何でもないことだから？
ずるい。
わたしが先輩のTシャツを着せられてる
ことに一番最初に気付いて口を出して
きたのは、やっぱりすばるだった。
「ふぅん、なるほどね〜」
とか言ってニヤニヤして
わたしと先輩を交互に見てくるから、
ひたすら水鉄砲連写しまくって話題をそらす
作戦で何とかしたけど(壮絶な戦いだった)
みんなと騒いでる間も
しばらく心臓は落ち着かなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1397人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひまわり(プロフ) - さらんさん» ホーム画面に！？申し訳ないくらい嬉しいです！！！(笑)わざわざコメントありがとうございます〜！ハッピーエンド大好きなので、二人はどんな試練も乗り越えてくれるはずです♪安心してお楽しみ下さい(o^^o) (2015年10月3日 17時) (
レス) id: 0e83d11206 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 彰§さん» むっちゃ嬉しいコメントありがとうございます！純愛編でも、この場面が好き！って言ってもらえるようなキュンキュンをお届けできるように頑張りますねー！(o^^o) (2015年10月3日 17時) (レス) id: 0e83d11206 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ほたちろさん» わたし自身、両想いの先書いてよおおぉ！って思っちゃうタイプなんですよ(笑)ありがとうございます照れます(￣▽￣)うまく書けるか分かりませんが、甘々な二人をお楽しみ下さい♪ (2015年10月3日 17時) (レス) id: 0e83d11206 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 椿 めいさん» わざわざコメントありがとうございます！楽しみのひとつにしていただけて嬉しいです〜(o^^o)少しずつの更新になりますが、これからも頑張りますね♪ (2015年10月3日 17時) (レス) id: 0e83d11206 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 山田まゆさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると更新頑張ろうって思えます(o^^o)純愛編もよろしくお願いしますね♪ (2015年10月3日 17時) (レス) id: 0e83d11206 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひまわり
| 作成日時：2015年9月10日 23時
