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ブルブルガクガク、Aの声が震えて。
笑い出したいのを必死で押さえ込む。
広臣「どっちにしろ後二週間で消えるもんな。もういいよ、勝手にして」
Aが辞めたら、俺も隆二も困る。
物理的なことじゃなくて、心の面で。
浦島太郎にお魚にカメに……そしたらAは乙姫？
うん、やっぱり 竜宮城には乙姫がいねーと。
広臣「オメーはちゃんと、期限まで辞めんなよ」
「はい……」
剛典「バイトを理由に宿題サボんなよ」
「……手伝ってください」
剛典「いやでーーす。ばーか、留年しちまえ」
「そこまで言う？！」
広臣「俺が手伝ってあげるから笑」
剛典「“鳴くよ うずいす”？」
広臣「ホトトギス。」
「＿＿＿鳴かぬならのヤツと混じってない？」
剛典「お前助けられる人居ないみたい。どんまい」
ニタニタ笑いながら、椅子の背もたれに腕を回して 後ろ足2本を軸にバランスよくギコギコ体を揺らす岩ちゃん。
そんな彼の肩を掴んで「お願いします、お願いします」と哀願してるA。
2人を見てるとやっぱり、
心地いいんだろうなと 思わずには居られない。
剛典「ちょっと やだむり、触んないで」
「……ウワァーーっ」
剛典「おいっ！やめろよ、アハハッ キモいキモいって」
「いい匂いするべ？」
剛典「───あ、ホントだ」
「ボディクリームってやつ使ってんの」
剛典「佐野からいい匂いするとかキモいわぁ…やめてよ」
「はあーー？うりうりっ」
剛典「ふっ、ざけんなよ…！」
“カシャッ”
「「……なに？」」
広臣「いや、なんか。ウザいなぁって思って」
目の前で繰り広げられる漫才を、スマホに収めた。
手のひらに収まるディスプレーの中に映っていたのは、岩ちゃんの鼻に 腕の白く柔らかいところをグイグイ押し付ける、にやけ顏のA。
おまえー、これ見たらまーた隆二が嫉妬するぞ。
俺も少し 不貞腐れるレベルだもん。
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続く (更新停止中)
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2015年8月26日 19時
