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＊
剛典「佐野佐野佐野〜〜ッッッ！！！！」
「な、なにっ」
剛典「こっち！やばい、こっち！」
開店準備中の竜宮城。
昨日隆二とボコボコに殴りあった割には元気な岩田が、飛び跳ねながら私の腕に絡みついてきた。
黄色い悲鳴を上げて、お前は女子か状態の彼が指差す先に現れたもの……それは、
「おGさまッッッ！！」
健二郎「だ れ や ね んwww」
笑ってる場合じゃないよ健二郎さん！
「ちょっ、ムリ、ムリッ！」
剛典「俺が無理！お前どうにかしろよっ」
「ひぎゃーーーっ！ふざけ、んなっ ちょっとぉっ」
カサカサカサ───……
互いの腕を掴んで騒ぐ私たちの足元を、不気味な音を立てて這う黒い物体。
広臣くんは真っ青になっていつの間にかカウンターの上に避難している。……お前ッ！！
「広臣くんっ！」
広臣「俺が苦手なもの、お化けとゴキブリ」
「なんて情けないっ」
広臣くんに助けの目を向けても、彼はカウンターの上という比較的安全圏で戦闘態勢を取ったまま動かない。
鍋ブタを盾にする人、リアルで初めて見たよ。
私が意識を彼に持って行った隙に、岩田が私の背中に手を回してグイッと前に押し出した。
剛典「俺より後ろに行くんじゃねーよっ」
「じゃねーよじゃなくて、第一発見者責任持ってどうにかしてよっ」
剛典「お前この俺の綺麗な手で、この……コレを処理させる気なわけ？！」
「自分で言うなッッ」
プシューーーーーッッッ！！！
隆二「はい、処理完了。」
「「………。」」
隆二「これだから都会っ子困るわ〜」
直人「隆二それ臣の顔見て同じこと言えんの？」
広臣「虫取り網あれば俺最強なんですけどね」
生身はむりむり。
クールな顔でヘビー級にダサい広臣くん。
ゴキジェットを片手にキッチンから出てきて
いつの間にか私の前に立っていた隆二は、振り返っても私と目を合わせることなく。
隆二「このやり取り前にもやりましたね、ハハッ」
私が知らない何かを思い出して笑ってた。
「ありがとう」
隆二「ん。」
あれ、目が合わないな。
あとなんか、返事が短いのが気になるよ？
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2015年8月26日 19時
