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バキィッ
骨が軋む音が鈍く響く。
岩ちゃんの身体が横によろめき、コンビニのガラスにペタッと両手と肩を貼り付けて。
綺麗な顔が ユラリとこちらを睨んだ。
直後にコンビニから出てきた男たちが、何事かと俺と岩ちゃんを交互に見ている。
剛典「……ってぇな、」
隆二「………。避けてないじゃん」
剛典「そんな本気のやつ避けれるわけねーだろ。加減考えろよバカじゃない、のッ！」
避けるつもりは無かった。
俺も勢いに任せて殴ったら、一発はおあいこ。
でも岩ちゃんは、殴られて体制を崩した俺を地面になぎ倒し 馬乗りになって俺を見下ろしてくる。
隆二「やんのか？」
剛典「やりますね」
隆二「“親友”のAが、悲しむと思うよ」
剛典「いいんです、こうでもしないと何も変わんないでしょう？」
隆二「悪いけど、やられっぱなしじゃないよ？」
剛典「見てりゃわかります」
尻餅ついたところから伝わるアスファルトの熱。
手から離れた二本の炭酸が、地面を転がって小さな気泡を幾つもあげている。
誰かが “やめろ” と叫んでいた。
黄色い叫びも聞こえる、……Aじゃないな。
剛典「好きなら俺から、奪ってみせろよ」
隆二「うるせえな」
わざとらしい煽り文句。
乗らない術を、俺は知らなかった。
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2015年8月26日 19時
