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隆二「弟遅いね〜」
「うん……」
貝でできた竜宮城の時計が、5時を示していた。
玲於が出てってから軽く3時間は経とうかという頃。
12人の団体様が去った後のテーブルを片しながら店の入り口へチラチラ視線を送るが、玲於は未だに戻る気配がない。
隆二「そんな心配そうな顔しないで、ほら Aの好きなタンだよ」
「…タン好きなんて言ったっけ?」
隆二「好きそうな顔してる」
「好きだけど。」
広臣「タン顔」
気持ち悪くないか?その顔。
「広臣くんって、ほんっと一言余計だよね!」
広臣「どうも笑」
「褒めてないからねッ 褒めてるんじゃないから!」
広臣「健ちゃん助けて、タン顔に襲われるぅ」
隆二「ハハッ アハハハハッ」
広臣「アッハッハッハッ」
隆二「HAHAHAHAHAHA!!」
「いいですか?これで」
健二郎「あかんA!早まったらアカンッ」
果物用のペティナイフを握る私を、青ざめた顔の健二郎さんが止める。
しかしそんな私を見ても広臣くんと隆二は笑いを収めない。
この人たち、笑っときゃ人生どうにかなると思ってる節のアレか。
直人「隆二隆二!Tシャツコゲてる!」
隆二「あ、やっべ」
広臣「やめてよ隆二〜 頼むよ〜」
隆二「端っこ無くなっちゃった!どうしよ直人さん」
Tシャツの端っこが、炭火に押し付けられてチリチリと燃えていた。
幸い少し焦げる程度に収まったが、一歩間違えば火だるま隆二になっていたかもしれない。
「……まあ、ELLYのしょんべんで消せば何とかなるか」
広臣「あ?」
「ううん、なんでもない」
女の子がしょんべんとか言うのは、よくない。
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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2015年7月26日 21時