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「……率直に聞くんだけどぉ」

「はい…」


「貴女は 誰かの彼女?」

「……はい?」




竜宮城から数メートル離れた浜。

水着の美女2人に詰め寄られるTシャツのお団子女に、周りの人たちは釘付け。




「竜宮城の、誰かの、彼女?」




ラテン系の美人さんが、煩わしそうに組んだ腕に指をトントンさせながら聞いてくる。



ああ、これはアレかい?

てめえ如きが あのイケメン達に近付くなッッッ

ってゆう、少女マンガ的な、展開?




「……違います。」




彼女なんて恐れ多いです。なんてへり下った物言いは 喉の奥に引っ込めた。


保身のために自分を下げる必要もないだろう。




「そう……」




ラテンのお姉さんが 探るような目で私を上から下まで見る。


そして、パーカーのお姉さんと目を合わせると ゆっくりと頷いた。







「…… これっ、隆二くんに渡してくれませんかっ!!」





これ。

突如深いお辞儀をしたパーカーちゃんから私の手に渡ってきたのは、小さな紙切れ。

中に、控えめな字で書かれた、ありきたりなSNSのID。




「(ああ、なるほど…)…うん、いいですよ」

「勘のいい人で助かるわ」




頷いた私に、顔を真っ赤にしたパーカーちゃん。

そして すんなり納得した私の表情を見て、何故か満足気なラテンさん。





「………成功を祈ります。」




なんて、どの口が言うのだろう。






私の手のひらを刺す紙切れなんて、

ギラギラの太陽に焼かれて燃えてしまえばいいのに。





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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2015年7月26日 21時

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