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雨上がりの翌日。
水垢で汚れた竜宮城の窓を拭く午前9時。
「目と目で 通じ合うぅ〜
そういう 仲に なりたいわ〜〜」
隆二「あれ、今日はズン ズンズン ズンドコじゃないの」
「……、」
隆二「Aって結構選曲コアだよね」
聞 か れ た 。
そしてやはり、先日の『きよしのズンドコ節』も聞かれていた。
裏口から音も立てずにやってきた彼が、私の背後を通って店の外にあるガスの元栓の元へ歩いていく。
隆二「誰の曲だっけ?」
「……氷川きよし」
隆二「いや、ズンドコじゃなくて、今歌ってやつ」
「わ、っかんない」
隆二「だよね〜。誰だっけ」
隆二、キミは肝心な時に笑わないね。
私のこの 笑われる事もなかった音痴はどこに飛んでいけばいい?
広臣くんや健二郎さんならここで、
『壊れたラッパみてぇ!!』
と言って腹を抱えるだろうに。
キリッとした顔でガスの元栓を開けるんじゃないよ。
隆二「今日もアチいね〜」
「ね。私汗かき過ぎて、ここに来て2キロ痩せたよ。」
隆二「まじ?痩せんのはいいけど、ちゃんと水分摂れよ」
干からびたら海に落とすからね、HAHA
本日1発目のHAHA。
もうちょっと丁寧に介抱してくれても良いじゃん。
隆二「なんか顔色悪いよほんと、気をつけな」
そりゃ、あんたに音痴を聞かれたからや。
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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2015年7月26日 21時