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走って走って、沢山の人の間を抜けて 隆二はやっとその足を緩めて私を振り返った。
隆二「もー 探しても見つからないんだもん。焦ったよ」
「……」
隆二「俺と約束したじゃん、何ナンパされてんの」
「なっ、」
隆二「もしかして忘れてた?」
「私は忘れてないっ」
隆二「俺も忘れてなかったよ」
なのにどこにも居ないし、見つけたと思ったら男に絡まれてるし。
どうゆう事なの?と可笑しそうに笑う隆二は、全力疾走したのに息も切れていなくて。
「だ、だって隆二、女の子5人相手してるって健二郎さんが言ってたから」
隆二「えー?あれは もう済ませたよ」
「済ませ…えっ?!」
隆二「ダチに分配してきた。」
分配、とは…?
隆二「あんま可愛いのいなくて」
なんか違うんだよな〜って、大きな欠伸をした。
なんだ、済ませって、私はてっきり
もうニャンニャンしちゃいましたよって
そうゆう意味かと、思っちゃったじゃない。
ヒューー、ドーーンッ!!
「……あ」
隆二「やべ、始まっちゃったね」
人だかりが一斉に上を向く。
視線の先に、本日一発目の大きな花火。
隆二「行こう」
「どこに?」
隆二「もっと良く、見える場所」
ギュッ、握る手の力が強くなった。
「……、」
隆二「また居なくなったら困るから」
「大丈夫。」
隆二「うん、でも 握っとくね」
何気なくこうゆう事が出来る人なのだろう。
一々気にしていたらキリがないという事は分かってる。
だけどホラ、おかしいくらいに
(あつい……)
隆二と二人でいる時は何故か
いつもより体温が高い気がするのだ。
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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2015年7月26日 21時