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ELLY「ほんっとにそっくりだ!」

隆二「中2?だっけ?」

「中1。まだ12歳」

直人「わっか!」


玲於「………」




登坂家食卓にて。

おそらく広臣くん辺りから私の弟が来ていると聞きつけたのだろう、バイト後一度帰宅したはずの隆二とELLYも来て


5人の男に囲まれた玲於はムスッとしている。




「たんとお食べ〜 玲於くん」




登坂のおばさんが、玲於の前に大皿を置いた。
中身は様々な具材を使った串揚げ。


うん、串揚げと言えば玲於の大好物だね。




玲於「……いただきます」




なのになんでしょう、玲於のこの不服そうな雰囲気は。




「はあ…、玲於、ここまでの交通費はどうしたの?」

玲於「貯めてたおこづかい持ってきた」

「……帰りの電車賃はあるの?」

玲於「うん2人分ある」

「え?」

玲於「ねーちゃんと2人分」




ムスリ。不機嫌そうな顔は相変わらず。

だけどもその身体は心なしかモジモジしてて。


ああ、なるほどね。




「私がいなくて寂しかったわけだ」

玲於「なっ…!そんなわけないだろっ」




昔から少々シスコンの気がある玲於。
“ダンス” という、自分だけの居場所を見つける前は、よく私の後をついて回っていたものだ。





「ふふっ、夏休みどう?ダンスばっかじゃなくてちゃんとお友達と遊んでる?


宿題、今年は手伝ってあげられないから早めに終わらせなね」

玲於「うるっさいなー ねーちゃん俺の心配してる場合じゃないだろ!」



「???」




なにやら興奮気味の玲於に首をかしげる。
対面から伸びてきた広臣くんと隆二の腕が、そんな玲於の目の前にある串揚げをしれっと取って行った。




隆二「Aソースとって〜」

「あ、はいどうぞ」

隆二「ありがとーう。こっちの何かいる?唐揚げ好きなんだっけ?」

「うん好き、3個くらいちょうだい」

隆二「レモンたっぷりだよね〜 覚えたよ〜」

「さっすが隆二。ありがとう」




隆二から取り皿を受け取りつつ、右手で麦茶を口に含む。

それを見てなにを思ったのか 玲於が私の方に鋭い視線を向けて叫んだ。






玲於「っ、岩さんどうするんだよ!」

「ブーーーーッ!!!」





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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2015年7月26日 21時

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