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次の日、朝早くパパがエルグランドに乗って玲於を迎えに来た。
昨夜の玲於は驚くほどにしおらしく、直人さんや健二郎さんからの絡みに嫌な顔を隠すことは無かったが、無視はしなくなっていた。
健二郎「お箸の持ち方きったな!」
玲於「うるせえハゲ」
「こら、なんてこと言うの」
健二郎「ハゲちゃいますぅ〜 あーりーまーすぅ〜」
無視よりマシになったかどうかと言われれば、微妙なところである。
パパが登坂のおじさんと話している間、一足先に車に乗り込んだ玲於が窓を開けた。
玲於「ねーちゃん」
「ん?」
玲於「彼氏、直己さんならいいよ」
「……はい?」
玲於「直己さんなら カナヅチのねーちゃんも助けてくれるし」
懲りてねーなこいつ。
「あのねえ……」
玲於「あ、隆二さんはだめ。あの人俺の顔見てヘラヘラしてて ねーちゃんに似てるからムカつく」
「早く帰りな。」
私に似ててムカつくと、玲於に言われる日が来るなんて
ショックだよ。
「それじゃああと一ヶ月頼むなぁ!」
「こちらこそ頼りにしてんだ、どうよ 広臣の嫁に」
「俺に相撲で勝ったら差し上げよう」
広臣「そっかー 俺相撲弱いんで、残念です。」
微塵も残念と思ってなさそうな広臣くんが、営業スマイル全開で運転席の窓の前に立っていた。
直人「俺玲於好きだわ〜」
「あ、ありがとうございます」
何やら背伸びしながらそう言う彼、理由は聞かないことにする。
玲於「じゃーね」
「ばいばい。ちゃんと宿題しなね」
玲於「わかったよ。
あ、隆二さんにありがとうって、言っといて」
「……自分で言いなよ」
玲於「言ったけど、あの人知らばっくれたから」
掴めなくて、苦手。
そう言う玲於の顔はやっぱり しかめっ面だった。
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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2015年7月26日 21時