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「りゅ、隆二も……」
隆二「後始末つけたら病院行くから。どっちにしろ付き添い2人までしか乗れないんでしょ？」
直己「ああ、俺とAで。搬送先決まったら連絡する」
隆二「お願いします」
パタリ、救急車の戸が閉められて サイレンの音が鳴り響く。
直己さんは救急隊の人に詳しい状況説明をしていて、ライフセーバーらしい彼の口ぶりをボーッと耳に入れていた。
直己「A、玲於の状態だいぶ安定してる。
海水も結構吐き出したっぽいし…詳しい検査してみないとなんとも言えないけど、
そんな心配する事もなさそうだよ」
「はい…、その 足の方は…」
直己「ここら辺の海は毎年1人か2人刺されちゃうんだよ。
アンドンクラゲつって、毒はあるんだけど、ちゃんと応急処置もしたし いきなり死ぬようなもんじゃないから、安心して？」
「っ、ほんとうに…本当にありがとうございます…」
直己「いや、むしろ、事故を防げなくてごめんね。
俺らの仕事は勿論救助もそうだけど、やっぱり海難事故を防ぐのが第一なのに」
謙虚に頭を下げてきた彼に 慌てて首を横に振る。
溺れていた玲於を見つけて、真っ先に助けに飛び出して行ったのは直己さんだと聞いた。
「やめてくたさい、直己さんっ」
そんな彼に頭を下げさせるなんて、罰当たりも良いところだった。
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2015年7月26日 21時
