継話 ページ4
悪趣味だと言わざるを得ない器具が長方形の白いテーブルクロスの上に所狭しと並んでいた。
「先輩、お願いなので部屋の隅でこちらに背を向けて耳を塞いでいてくれませんか」
「嫌なこった」
反射的にそう返した俺は間違っていないと胸を張って答えられる。お前、犠牲になろうとしたな。と睨みつければ、震える手を無理やり押さえつけ下手くそな笑みを貼り付けた彼女は茶化すように肩をすくめた。見栄っ張りな部下の手を引っ張って備え付けられたベッドに引っ張りこむ。
「寝ろ。寝て起きたら、きっとなにか変わってる」
「……先輩って意外と楽観主義者？」
「うるさい。制限時間は設けられていないんだ。焦っても仕方ないだろう」
いいから寝るんだ。と彼女に語りかけると、そうですねという返答の後、雑談をせがんできた。なんとなしに話を続けていると睡魔が襲って来て、俺の意識は簡単に闇に解けた。夢現に鉄寂の匂いが鼻をついた気がする。
【腕を一本差し出さないと出られない部屋】
「……輩、ペン輩」
その声に、はっと目を覚ました。全身に嫌な汗をかいている。デスクに突っ伏して寝てしまっていたようで隣で不安そうに彼女がこちらを見ていた。夢だったのか？いいや違う。あれは現実だ。ということはつまり。
「お前、腕は大丈夫なのか」
分かりきっている答えを俺は聞いた。
「……ええ。大丈夫です」
一拍置いて、
一瞬浮かんだ表情は諦めに近かった。
「俺は……」
お前を犠牲にするくらいなら、ずっとあそこにいて良かったんだ。
続けたかった言葉は遮られた。
「大丈夫なんですよ。ぺん輩」
嬉しそうに笑った彼女の顔は、今度は翳りなんて一切なくて複雑になった。
おまえ、こっち側に来てしまったのか？
こみあげる疑問は終ぞ口には出せなかった。
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緑海(プロフ) - ケルベロスさん» お返事遅くなってすみません…！確認不足でしたX( 修正致しました。ご指摘ありがとうございました…！ (7月26日 2時) (
レス) id: 40d9d7ca11 (このIDを非表示/違反報告)
ケルベロス - あれ・・・？ペンギンって歯は無いと思うんですけど違うんですか！ (2021年12月17日 15時) (レス) @page1 id: f661112be3 (このIDを非表示/違反報告)
緑海(プロフ) - テイペンは最高ですねさん» ありがとうございます！！コメントを頂いたのは初めてなのでより嬉しいです！！！発狂なんて恐れ多い…！！でも、楽しんでいただけたようで何よりです…！まだ作成中のものもありますので、ボチボチ上げて行ければとおもっております。応援、大変励みになります！！ (2021年7月24日 21時) (レス) id: 2b83087b3e (このIDを非表示/違反報告)
テイペンは最高ですね - テイコウペンギンの小説って少ないのでホントに最高でした（？）しかもペンギン推しなんで…もう、心の中で発狂し放題でした！お疲れ様でした、もしも他にも小説をあげていらっしゃっているのならばそちらも私は応援してますよ！ (2021年7月20日 23時) (レス) id: ee5607c705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑海 | 作成日時：2021年5月31日 20時
