いつも隣に… 【黄】vol.1 (ページ19)

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♪18♪ ページ19

ハアッハアッハアッ……

行くあてもなく走って、たどり着いたのは屋上

ガチャ

ドアを開けると、大きな青空が広がってた。

貴「気持ちいいなぁ。」

よく人は

空の広さからすれば、人の悩みなんてちっぽけなものだ

とかいうけど、そんなのウソ

私には、どうして良いかわからない。

“辞めてまえや”

あの一言を思い出すと、胸が苦しくなる。

貴「せっかく、ホルン好きになったのにな…」

裕「…だったら、辞めないで」

貴「っ……裕子先輩？」

裕「Aちゃん、こんなに苦しんでたなんて
気付いてあげられなくて、ゴメンね。」

貴「先輩のせいじゃないです。
私が錦戸先輩の期待に答えられなかっただけなんです。
全部………私が悪いんです。」

裕「そんなことないよ。
Aちゃん、凄くがんばってたよ。
私、いつもすごいなぁって関心してたんだよ」

裕子先輩は、私の隣に来てくれて、ゆっくり話し始めた。

裕「錦戸くん、この1ヶ月ずっと基礎練しかやらせてくれなかったでしょ？」

貴「はい……」

裕「実は、去年錦戸くんが入部してきた時、私も、1ヶ月間基礎練しか教えなかったの。
どうして基礎練ばっかりか、錦戸くん説明してくれた？」

貴「いいえ……聞いてません。」

裕「やっぱりねー。
私、ちゃんと錦戸くんに教えたと思うんだけどなぁ」