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犠牲はつきもの ページ50

「─そうだ。
私はCaterinaを殺そうとしているよ。」

私の淡々としたその言葉に怯えたSansは
なぁ、嘘だろ、と悲痛な声を上げながら
力無さげに口元を抑えて後ずさる。
実際に言葉にしてみれば、
ずっしりと重みのある言葉だ。
身を潰すような瓦礫などが
軽く思えてくるくらいに重い言葉だ。
今更ながらに人の命を奪うという事に
再度確認を取られたようで、心苦しかった。

「どうか、否定しないでほしい。
私達はお互いに了承を得ているんだ。
彼女から命を貰う代わりに、
私達は彼女に死を提供する。
─これが、最後の三つ目の約束だよ。」

言うことを躊躇っていた三つ目の約束。
これを理解するのはきっと難しいだろう。
死を提供し、命を得るだなんて。
そんなことはおかしいと思われて
普通はきっと当然のことだろうから。

「お、お前は、
傷つけないって言ったじゃないか……!
平和な世界に導くんだって言ったじゃないか…」

ショックで項垂れるように
頭を抱えて唸り始めるSans。
私はそんな彼に近づいて、
仕方がなかった、と声を出した。

「Asrielを救うには誰も傷つかせずに
別の方法を見出すつもりだったけれど…
核になるSoulがなければ何も出来ない。
命の代わりになるのは命しかなかったんだ。」

「だからって、だからってお前は─」

犠牲にするっていうのか、と
嗚咽を零してSansは床に蹲る。
慌ててFriskが近寄り、その背をさすっているが
Sansは怯えたように私を見たまま震えていた。

「─Monster殺しが。」

「─いい加減にして!!」

その一言にCharaがSansを激しく叱咤する。
Monster殺し。いつかのFriskが言われた言葉。
まさか私が負うなんて思ってもみなかったけど
Caterinaの命を代替にすると決めた時から
私はそういう物になっていたのかもしれない。

「Chara、いいんだ。合っているから。」

でも、ともどかしげに私を見たCharaだったが
私がゆるゆると首を振ったのを見るやいな
ぐっと悔しそうに、行動を踏み留まった。

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クロセ(プロフ) - はじめまして!続きを楽しみにしてます! (2020年6月2日 23時) (レス) id: c80b4d78c0 (このIDを非表示/違反報告)
きりにゃー - ロイヤルガードさん、タイミングう! (2020年3月4日 1時) (レス) id: 9df501902d (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - 名前カタカナになってますが十六夜です!(汗) (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - いえいえ!大丈夫ですよ!仕事が忙しくこちらも返信できずすいません!時間があるたびに見に来ます!!((オイ (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 十六夜さん» 返信遅くなってしまいすみません。今時期は様々な用事がありロクに更新出来ずにいます。途中で作品を放るつもりは更々ありませんのでお時間が空いている時にでもまたいらしてください。 (2020年1月8日 18時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年7月15日 14時

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