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過去と罪過を ページ23

──血が、溢れた。

それは、不慮の事故で流れたものではない。

私は、思い出した。

自分の過去を。自分の罪過を。


…やり直せない、過ちを。



「あ、ああっ!嫌、嫌だ!!」

突如として、閉じ込めていた記憶が弾けた。

私を覆い潰さんとする漠然とした不安。
爪先から頭まで突き刺さるような痛みと熱。
脳内で繰り返される過去の光景。

それらが全て、責め立てるかのように襲ってくる。

「やめてやめて入って(・・・)こないで…!」

免罪を求める罪人のように
ひたすらに声を上げ続ける。
煩いだろうに、そんな私をCharaは
突き飛ばしもせず抱きしめたままだ。

「大丈夫だよ。」

Charaの手が背を撫でる。
囁きからは、怒りを感じない。
子をあやすような、優しい声。

「思い出したくなかったのに…」

それでも声は、感情は、涙は、
止めどなく私の中から溢れ続けた。
ただただ溢れてくるこれら(・・・)
抑える事が出来ず、身体を震わせる。

「…お願、い。今は、入ってこないで…
【私】に触れないで…」

不意に脱力感に襲われて、倒れ込む。
抱きしめてくれているCharaに身体を預けるように。

遠くの方で私を呼ぶ声がする。
そんな事はない筈なのに。
CharaもFriskも傍にいるのに。

物が二重に見えて、ぼやけてる。


──駄目だ、このままだと…落ちる(・・・)

そう分かっているというのに、
急な肉体の変化に耐えきれず
……私は前後不覚に陥った。

再体験→←触れてはいけない秘め事は



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クロセ(プロフ) - はじめまして!続きを楽しみにしてます! (2020年6月2日 23時) (レス) id: c80b4d78c0 (このIDを非表示/違反報告)
きりにゃー - ロイヤルガードさん、タイミングう! (2020年3月4日 1時) (レス) id: 9df501902d (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - 名前カタカナになってますが十六夜です!(汗) (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - いえいえ!大丈夫ですよ!仕事が忙しくこちらも返信できずすいません!時間があるたびに見に来ます!!((オイ (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 十六夜さん» 返信遅くなってしまいすみません。今時期は様々な用事がありロクに更新出来ずにいます。途中で作品を放るつもりは更々ありませんのでお時間が空いている時にでもまたいらしてください。 (2020年1月8日 18時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年7月15日 14時

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