逃 ページ44
永山：明日、事務所に来てくれ。
優斗が倒れた次の日にそんなことを言われた。
事務所に来てくれって
事務所の前には…
カシャ！カシャ！
記者：あの！いい加減出てきてもらえませんか！？
記者：HiHi Jetsのメンバーが倒れた件について！今回のことと関係があるんですか？
前の時と同じようにたくさんの記者が取り囲んでいて通れない。
こう言う時は早く通った方がいいんだよね。
井上：すみません！通ります。
でもそんなのすぐにバレて
記者：HiHiの井上くんじゃないか？
記者：井上くーん！話聞きたいんだけど！
ここぞとばかりに大声で煽ってくる。
それでも触れては来ないしと思い安心しながら通ろうとすると、
記者：井上くん！
井上：痛っ！
記者に思い切り腕を掴まれて向き合わされる。
どうやらここ数日張り込んでいるのに全く成果が出なかった為どんな方法でもスクープが欲しいらしい。
でもそんなこと1人すればたくさんの記者が雪崩れ込むように俺のことを押す。
バタンッ！
井上：い、たい…
たくさんの人に押されて地面に倒れる。
その途端にハッとした顔をした記者を一瞥すると
永山：井上くん！
副社長が騒ぎを聞きつけて俺の元へきて手を差し伸ばしてくれる。
助かったと思ったその瞬間
井上：へっ？
副社長に思い切り体を回されて記者に向き合わされる。
永山：今ここで井上くんの口から説明しなさい。
井上：、、、え？
永山：ここで井上が全てを語ります。
記者：ええ！
記者が驚いたように俺にカメラを向ける。
それでも
井上：話したこと全部なかったことにされたりしますよね…
小声で副社長に問いかける。
永山：そんなことはあっちの勝手だからなぁ。
そう言って気味の悪い笑顔を浮かべる。
嫌な予感がする。
これは絶対に裏がある。
それにここで全て語っても信じて貰えるか分からないならフェアじゃない。
井上：失礼します！！
俺は何も言わずに逃げ出した。
永山：おい！井上！
副社長は怒鳴っていたし逃げるなんてみっともないけどそれしか出来ることなんてなかった。
俺が1人でできることなんて…
みんなが戻ってくるまでHiHiを守りきることだけなんだから。
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作者名：あおいろ | 作成日時：2020年4月22日 14時
