君にこの歌を (ページ27)

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わけページ27

橋本：瑞稀？なんでこんなことしたの？

瑞稀くんの手当てが終わって一息つくと、はしもっちゃんが瑞稀くんにそんなことを聞いた。

井上：そっ、それは…

そのことは触れられたくなかったのか瑞稀くんは先程のように身体中を震わせて目に涙を溜めていた。

橋本：瑞稀。大丈夫だから。

そうはしもっちゃんがいいながら頭を優しく撫でるとビクッと体を揺らしたものの、手をギュッと握りしめて瑞稀くんはポツリポツリと話し始めた。

井上：もう一度…5人でやりたかった。

作間：瑞稀くん…

井上：俺は、ガリさんの気持ち、ちゃんとわかってあげられなかったし、作ちゃんの気持ちをみんなに伝えることもできなかった。はしもっちゃんだって怒らせちゃうし、優斗にはLINEの返事さえ貰えなかった。

橋本：、、、、ごめん。ごめんね。瑞稀…泣。

はしもっちゃんが顔を涙で濡らして瑞稀くんに言うと、瑞稀くんは首をフルフルと横に振った。

井上：だからね。こうに言う権利はないのかもしれない。でも、俺はみんなと一緒にやりたいの。もう一度みんなでやろ？俺らはバラバラなんかじゃない。俺らがバラバラだって思ってるだけ。

瑞稀くんはいつもよりも力強い声でそう続けた。

井上：みんな、ガリさんだけが悪いって思ってないでしょ？だったら謝ろう？作ちゃんだけじゃダメなんだったらみんなで行こう。もう一度みんなでやろって頼もう？

髙橋：でも…どうやって…？

電話やLINEを読まないならどうすればいいんだろ。

そう言うと瑞稀くんが一枚の紙切れを机に出した。

井上：社長に頭下げてもらってきた。