保健室の姫 hsmz ページ23
r.
y：橋本くーん？テンション低めですかー？
新学期早々、いや、朝早くからピーピーと後ろの席で騒ぐ親友優斗の言葉をいつものように無視をする。
そんなことをしていると案の定、
橋本くんが無視するんれするけろ！！なんて
騒ぎ出して隣にいる蒼弥にしばかれていた。
先ほども言ったが、今は新学期の人間観察中である。
席はみんなバラバラだけど、目を端々に行き渡らせて
知ってる人と知らない人の選別をする。
こう見えても交流の幅が広い俺はほとんどの人を
知っていたし、知らなくても見たことがあった。
ただ、1人を除けば。
r：なぁ、ガリさん。ガリさんの後ろの席の子って知ってた？
前から3番目。
ガリさんの後ろに座る少年。
彼だけどうしても俺の記憶の端にもなかった。
s：さぁ？俺も見たことないわ。
案の定、ガリさんがそう呟くと作ちゃんが
黒板に走って行って、
ry：井上瑞稀だって。
と彼の情報を仕入れてくる。
名前ももちろん知らなくて、首を傾げると
担任らしき人が入ってきてHRが始まった。
全員が軽く自己紹介をして掃除。
40人のこのクラスは5人1組で掃除を
することになっていた。
パッといつメン４人でまとまると、あと1人かー。
なんてガリさんが呟いた。
そこに、顔を真っ赤にした女が
後ろに3人従えてやってくる。
〈入ってもいいかな？〉
なんて彼女の言葉に頷きかけた優斗を止める。
r：ごめん。もう、5人で組めてるから。
え、？なんて戸惑う3人と女たちを尻目に、
教室の端で縮こまっている彼の腕を引いて、
これで5人。と女たちに見せつけた。
y：掃除って何のためにやるんだと思う？
ry：うーん。なんだろ？
s：なんでもいいから手ぇ動かせよ。
屋上に続く階段の掃除担当になった俺らは雑巾片手に何もしない優斗に喝を入れながら掃除をしていた。
その間中、ずっと彼は無言でどころか怯えたように
視線を行き来させていた。
誰が話しかけても、頷くか首を傾げるかしかしない
彼に
r：去年何組？
と聞くとやはり指を2本立てて2組を表した。
そういえばさっきの自己紹介でも声が小さすぎて
聞き取れなかったし、
話すのが苦手なのかもしれない。
結局、俺らは4人とも彼の声は聞けないまま
初日は終了してしまった。
それどころか、
彼の趣味も
部活も
何も知らないまま。
全くと言うほど、顔を合わせなくなってしまった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 213人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおいろ(プロフ) - 朝顔さん» ２つリクエストありがとうございます。書かせていただきます。少々お待ちください！ (2022年6月20日 22時) (
レス) id: 749f8459e9 (このIDを非表示/違反報告)
あおいろ(プロフ) - 恋歌*°?さん» リクエストありがとうございます！書かせていただきます。少々お待ちください！ (2022年6月20日 22時) (レス) id: 749f8459e9 (このIDを非表示/違反報告)
あおいろ(プロフ) - プリンさん» 返信ありがとうございます！書かせていただきます！少々お待ちください。 (2022年6月13日 14時) (レス) @page45 id: 749f8459e9 (このIDを非表示/違反報告)
朝顔 - 2つリクエスト失礼します。sk×syで地方公演ホテルでskに寝込み襲われる話とmz×ytでmzは独占欲強め、ある日男性スタッフにytが告白されている所目撃し嫉妬して無茶苦茶に抱かれる話をお願いしたいです。 (2022年6月9日 21時) (レス) id: 8dff807e47 (このIDを非表示/違反報告)
プリン - はい！yt受けです！よろしくお願いします。 (2022年5月31日 19時) (レス) id: e32a67663c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あおいろ | 作成日時：2021年3月23日 21時
