18日目 涼 ページ21
8月18日 橋本涼。
病院に入るといつもと雰囲気が違った。
沢山の提灯に、子供たちが描いたであろう絵。
そしてたくさんの屋台と入場門。
そこには院内祭りという文字が書かれていた。
院内祭りかぁ。
昨日喧嘩をしてしまった瑞稀がこんな事を教えてくれるはずもなくてブラブラと405号室に行くとそこにはカーテンに包まれた１つのベッドが。
いつもはこんな事ないからやはり、昨日の件は応えたんだなって少し反省する。
橋本：瑞稀？
瑞稀の名前を呼びながらカーテンを開けると、何かを書いていた瑞稀はそのノートを勢いよくパタンっと閉じて俺のことを睨みつけた。
井上：なんできたの。
ぶっきらぼうにそういう瑞稀の手元にあったのは例のノート。
橋本：何書いたの？
井上：、、、言わない。
橋本：えー。
まぁいっかと思って隣に椅子を出して座ると、こちらをチラチラと伺ってくる瑞稀。
暫くすると、その手が動いてノートを俺に差し出してきた。
橋本：ん？なになに？
死ぬまでにやりたい10のこと
2.涼とお祭り回りたい。
橋本：フフッ、
可愛すぎて思わず笑みが漏れると泣きそうな、恥ずかしそうな顔をでこちらを見てくる瑞稀。
橋本：車イスならいける？
その言葉に頭が取れそうなくらい頷く瑞稀をゆっくりと抱き上げて車イスに乗せた。
橋本：どこ行こっか。
井上：、、、、ねぇ、怒ってないの？
橋本：え、？
俺の問いに答えないなと思っていたらそんなことを聞いてきた。
きっと不安だったんだな、、、
橋本：怒ってないよ。
井上：嘘だ。
橋本：でも、俺が瑞稀に生きてて欲しいから、書類提出したくなくて、勝手に感情的になっちゃっただけ。
あー。恥ずかしい。
こんなこと言いたくなかったよ。
少し反省して下を向くと、瑞稀は机の上のバインダーを手に取った。
その中から延命治療を望まない書類を手に取るとその紙を迷わずに真っ二つに破いた。
橋本：ちょ、瑞稀、、、
瑞稀の行動に驚いて固まる俺を見て、瑞稀はいたずらげに笑った。
井上：やっと重荷が取れた気がする。
橋本：え、？
井上：今までずっと、生きたいとかじゃなくて、生きてちゃダメなんだって思ってた。だけどさ、俺にもこうやって生きててほしいって言ってくれる人がいるなら、生きててもいいのかな、俺の人生、間違ってなかったかもなって思ったんだよね、、、
橋本：瑞稀、、
井上：これからの人生、俺のやりたいことだけして生きてくから。もちろん、涼も一緒にね？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「HiHiJets」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わーちゃん - 面白い (2022年3月9日 19時) (
レス) @page2 id: 3919d3be97 (このIDを非表示/違反報告)
IRA(プロフ) - 面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年11月23日 9時) (レス) @page20 id: ec14ef5c84 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すごく面白かったです。更新を楽しみにしています。 (2021年3月5日 20時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
き〜 - 続きみたいです！ 更新楽しみにしてます！ (2021年1月30日 19時) (レス) id: be0313a077 (このIDを非表示/違反報告)
あおいろ(プロフ) - パセリまみれさん» 慎太郎くんにさせていただきました！いつもコメントありがとうございます！！ (2020年8月13日 15時) (レス) id: 7095de8d74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あおいろ x他1人 | 作成日時：2020年7月22日 19時
