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秘密にしたくて ページ20

「大ちゃん、膝枕してぇ…?」


撮影の合間、今にも閉じてしまいそうな瞼を擦りながらいのちゃんが言った。


「え?みんな居るけど」


そう、今日は全員の撮影。
楽屋は入れ代わり立ち代わりずっとメンバーが居るから二人きりなんて絶対にならない。


「ちょっとだけ…お願い…」


言いながらいのちゃんは俺の膝に横たわってきてる。
可愛いオネダリと安心したような顔ににやけが止まらない。


寝不足なお姫様は一瞬で夢の世界へいってしまったみたいだ。


「…大貴、顔。場所考えてよね?」


見かねた知念に釘を刺された。
空気甘ったるすぎ〜なんて言いながら山田の隣へ避難してる。


去り際、ちゃっかりいのちゃんの寝顔をカメラに収めてるんだから知念も大概だけど。


「お疲れ〜」


そんな中、ドアが開いて撮影を終えたやぶひかが戻ってきた。
…あぁ、なんだか嫌な予感。


「あれっ、いのちゃん寝てんのか」


話したいことあったのにって、向かいにひかが腰掛けて、自動的に薮くんもついてくる。


「え、お前ら楽屋とか気にしなくなったの?」

「ラブラブだよね」


熟年夫婦感を醸し出しながらにやにやと見つめるやぶひか…


いのちゃんは寝てるから俺一人で受け止める羽目になってきつい。


「せっかくだから気になってたこと聞いていい?」

「何」

「お前らってどっちが上なの?」

「えっ、げっほごっほ」


突然の爆弾にむせてしまった。
下世話な薮くんはさておき、ひかまで俺も気になってたんだよね〜なんて言い出すから余計慌ててしまう。


「…ご想像におまかせするじゃダメ?」

「えーいいじゃん、伊野尾寝てるんだし」


シッシッと手で払おうとするも、こういうときの二人はなかなか離れてくれない。


「光、どっち派?」

「俺はいのちゃん下だと思うけどね、さすがに」

「同意だな」

「ねぇ、静かにして!?」

「なんだよ、ご想像におまかせって言ったの大ちゃんだろ」


あーもう、年長組はこれだから困る…と思ってたら膝の上の温もりがモゾっと動いた。


あ、いのちゃん起きたなこれ…


ぎゅっと右手は俺の服を握ってくるので、これは「追い払え」のサインだと思う。


「とにかく!いのちゃんは俺のだから!」


言い切ってまた手で払うと、やぶひかは目を見合わせて笑った。


「いいもん見れたわ」

「ね、実質ポジション肯定したね」


ありがとう大ちゃんお幸せに!と二人は去っていった。


…この後いのちゃんには無事に怒られました。

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作者名:ららりる | 作成日時:2020年10月4日 21時

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