花咲く季節なので ページ17
「大ちゃん、俺になんか不満ある?」
雑誌撮影の合間、楽屋に二人きりになった途端いのちゃんが言った。
「え?無いよ、なんで」
俺が即答すると、一瞬嬉しそうな表情を見せたものの、読んでたスマホの記事を見せてくる。そこには…
「なになに…え?倦怠期感じてんの?」
「や、違うけど!
この記事、日頃の小さな不満が倦怠期の原因になるってあってさ」
「ふーん…」
倦怠期ねぇ。
出会った頃からずっと一緒だけど、俺は一度も感じた事ないな。
というか勝手にいのちゃんも無いと思ってたけど、もしかして俺の知らないとこで悩んでたんだろうか。
「いのちゃんは俺に不満あんの?」
「無い」
あ、これ即答されると想像以上に嬉しいわ。
なんて、にやけながらこの話は終わり〜と思ったんだけど、いのちゃんは違うらしい。
「無意識のうちに不満を溜めてる可能性があるの!だから絞り出して。」
「そんな無茶な…」
出た、無理難題。
ここでテキトーなことを言って地雷踏むのだけはまずい。
「強いて言うならでいいから」
「…じゃあ、寝顔が可愛すぎること。ずっとみてられるから俺が遅刻する。」
「は?」
そういう事じゃないんだけど…って小さく照れてるのを無視して続ける。
「あとはラジオ楽しそうなこと。二人のレギュラー欲しくて妬く。サウナ一人でも行くこと。他人に襲われないか心配。あとは外で俺の事"有岡さん"とか呼ぶこと。なんか興奮する。あと…」
「わかった!もういい!!ストップ!!!」
むぎゅうと俺の口を押さえてくる。そんな変なこと言ったか?俺。
「大ちゃんが結構変態ってことがわかった…」
「どこが?」
「全部だよ、ばーか」
機嫌悪くしちゃったかな?と思って、
引いた?と聞けばぶんぶん首を横に振りながら耳はほんのり紅くなってる。
「あと一個、真剣なやつあるんだけど」
「…なんだよ」
実はずっと言おうと思ってたことがあるんだ。
「最近いのちゃんと居る時間が長すぎて、一人だとベッドが広すぎて眠れない」
今もほぼ同棲してるようなもんだけど、
二人で住む部屋をちゃんと借りて一緒に居たいんだ。
「一緒に住もうよ、いのちゃん。」
「…!」
目をぱちくりさせたいのちゃん。
しばらくすると突然勢いよく抱きついてきた。
「大ちゃんからそんなこと言ってくれるなんて嬉しいっ!」
俺でよければぜひ♡って微笑む顔は世界一可愛くて。
倦怠期どころか、俺たちラブラブだなって再確認した日。
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作者名:ららりる | 作成日時:2020年10月4日 21時