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「ちゃん、眠いの?」
大ちゃんが電気とか換気扇とかもろもろ確認してから入ってくる。
「うん…」
「嘘、寂しいんでしょ?」
背を向けるように布団に潜ったら、後ろから容易に捕まえられてしまった。
「何考えてたの」
「眠いだけだもん、」
首筋に大ちゃんの髪の毛が触れて擽ったい。
「…無防備すぎるんだよ、ちゃんは。」
さっきまでと違う、切なげな声だった。
それが気になってくるりと体を反転させて向かい合う。
今度は大ちゃんが顔を隠そうとした。
「…いのちゃんが、1人の仕事で嫌な思いしてないかなとか、変なやつに絡まれてないかなとか、気になって仕方ない。」
「…あったらちゃんと言うよ」
「うん。俺も信頼してるから、ちゃんのこと。」
でもさ、って続ける大ちゃん。ふわりと覆いかぶさってくる。
「あんなの、俺の前だけにして。…ほんとに嫉妬する。」
「は、どれ…っや、」
大ちゃんの手が服をまさぐって素肌をなぞった。
「口開けて寝るのとか、ホクロ見せるのとか、こうやって触らせるのも。」
「んん、ぁ…ちょ、」
だんだん手が上にあがってきて…ねえ俺が腹出して寝てるのって大ちゃんのせいじゃんか。
「…いのちゃんが思ってるより重いよ、俺。」
「俺が重いから移ったんじゃないの」
「ははっ、そうかも。ちゃんが重いのは可愛いからいいんだけど」
悩ましげに笑いながら、俺の体に這わす手は止めない。
いつの間にか大人になった大ちゃんに、嬉しいような悲しいような。
「ん、だいちゃ…するの?」
「嫌だったら言って」
大ちゃんにされて嫌なことなんてあるわけないっての。
不安そうな顔もカッコよくて、愛されてんだなあって心がほかほかする。
俺の一番は大ちゃん。大ちゃんの一番は俺。
体温を分け合いながらただキミを想った。そんな夜の話。
Fin.
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ららりる(プロフ) - むーんらいとさん» むーんらいと様!コメントありがとうございます。最後までお読みいただき素敵なご感想までありがとうございます(;;)また何か書きたいなぁと思っているのでよろしくお願いします! (2020年11月10日 14時) (レス) id: 9caf9169a2 (このIDを非表示/違反報告)
むーんらいと(プロフ) - ありいのちゃんとっても感動でした…!そして完結おめでとうございます!完結まで見届けることができとても嬉しいです。またららりるさんの素敵なお話を楽しみにしています! (2020年11月9日 22時) (レス) id: 0831049180 (このIDを非表示/違反報告)
ららりる(プロフ) - むーんらいとさん» むーんらいと様!初めまして。では実は無いんですよ、いつも作品読ませていただいてます、なのでコメントいただいて嬉しくて震えてます笑 私なんぞの文にはもったいないお言葉!挑戦でしたが書いて良かったです。ありがとうございます。またゆとやま描きたいです! (2020年10月10日 1時) (レス) id: 9caf9169a2 (このIDを非表示/違反報告)
むーんらいと(プロフ) - 初めまして。「心の色は青」泣きました。初めて死ネタを書かれたということですが、さすがです…。ららりるさんが書かれる文章は(いい意味で)生っぽくてドキドキして、大好きです。ららりるさんのいろんなゆとやまを見れて私は幸せです。これからも楽しみにしています! (2020年10月10日 0時) (レス) id: 0831049180 (このIDを非表示/違反報告)
ららりる(プロフ) - 凪沙さん» 凪沙様!コメントありがとうございます。なんと!似たような思考回路の方に出会えて嬉しいです(>_<)なるほど、自ら…切ないですね。また新しいストーリーが湧いてきそうです。素敵なコメントありがとうございます。とても励みになります! (2020年10月9日 22時) (レス) id: 9caf9169a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ららりる | 作成日時:2019年8月8日 22時