＊３＊ ページ46
病室の前まで着くと、既に来てたメンバーと章ちゃんの談笑する声が聞こえて来た。
扉を開ける手が緊張する……。
小さく深呼吸してからゆっくりと扉を開いた。
会話が止み、一斉に視線が俺の方へ向いた。
その中に章ちゃんの視線もちゃんとあって…、
「…章ちゃんっ！！」
俺は脇目も触れず思い切り章ちゃんを抱き締めた。
「…亮。心配かけてごめんね…？」
そう言うて背中に回してくれる手の温もりが凄く久し振りで涙が溢れそうになる。
「謝らんといて…。章ちゃんに言うて欲しい事はもっと他にあるねんで？」
「……あ、」
今日が何の日か気付いた…？
「お誕生日、おめでとう」
耳元で囁く可愛い恋人を更に抱き締める。
「章ちゃんありがとう！」
「また同い年やね」
「おん」
「嬉しい？」
「おん」
「ふふ、」
「笑わんといてぇや」
「だって〜」ｸｽ
普通に話せる事がこんなにも幸せやったなんて、前やったら考えられへんかったな。
当たり前なんて考えたらアカン。そう感じられた一週間やった。
「章ちゃん。コレ、ありがとうな！メッチャ嬉しいわ！」
右腕の腕時計を章ちゃんに見せる。
「ちゃんと着けてくれたんや？」
「勿論！これからも同じ時間を一緒に刻んで行くねんから！」
「おん！」
何時の間にか病室にはメンバーの姿は無くなっていた。
きっと俺等に気を遣ってくれたんやろう。
「…章ちゃん」
「…亮」
ベッドの上で二つの影が重なり合う姿を見ていたのは、澄んだ夜空に浮かんだ綺麗な月だけだった。
＊end＊
黄さんおめでとうございます！
今日からまた青さんと同じ年の時間を共に過ごせますね(笑)
二人の双子感はほんと愛しいです♡
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作者名：あおねこ | 作成日時：2016年6月15日 1時
