＊卒業式の日に＊ ページ5
黒青♀ 学ぱろ
青side
今日は卒業式。
想いを寄せていた横山先輩が、この学校からいなくなってしまう。
ただ遠くから見つめるだけで幸せだった。
先輩はかっこよくて女子からの人気も高い。
しかもこの学校はキレイな人や可愛い人がたくさんいるから、私なんて相手にされへんのは判ってる。
でも、今日はただ見てるだけやなくて、勇気を振り絞って先輩に声を掛けてみようと思う。
思い出に記念写真を撮れたらいいな…。
＊
「やっぱ先輩人気者やね」
「うん」
先輩、同級生、後輩。
色んな女の子が先輩の周りに集まっている。
最後だから皆話したいって気持ちは一緒なんだよね…。
「安子どうする？此処で先輩待つ？」
「私が呼んでこようか？」
「ううん！最後だから自分で行く！」
「そっか！頑張れ！」
「安子、頑張って！」
「ありがとう！行ってくるね！」
倉子と錦子に背中を押してもらって、先輩の元に向かった。
のはいいんだけど…。
人集りで全然先輩が見えない〜…！
背が小さいからってのも理由だけど…。
でもここまで来たんだから何とか先輩の所まで辿り着かないと！
「すみません！」って声を掛けながら中へ進もうと思ったその時ーーー
「邪魔！」
そう言われて私は誰かに突き飛ばされた…。
「………きゃあっ！！」
突然だったからかなり大きな声で叫んでしまった。
「安子っ！！」
「大丈夫っ！？」
遠くから見守っててくれた二人がその姿を見て助けにきてくれた。
「大丈夫！」
「「良かった…！」」
「心配掛けてごめんね…」
「ええよ！謝らんでも！」
「そや！謝らんでええの！」
錦子はギュってしてくれて、倉子は頭ポンポンしてくれた。
良い親友に出逢えて良かった。
「大丈夫？怪我してへん？」
すると、突然後ろから声を掛けられた。
この訊き覚えある声………まさか！
振り向くと横山先輩が心配そうな顔で立っていた。
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作者名：あおねこ | 作成日時：2016年6月15日 1時
