＊兄弟想い＊ ページ37
三兄弟ぱろ ※公式設定とは異なります※
黒side
「チパ行くな」
「…ごめんね、バルくん。行かしてや？」
「なら、俺を倒してから行け」
「そんなん出来へんよ…」
「なら行かんでええねん」
「でも僕が行かなあかんねん…判ってぇや。なぁ？」
「バルは耳が聞こえなくなった…！」
「…えっ？…ほんまっ？」
「何をアホな会話してんねん。チパ、ええから早よ行きや」
「でもユウくん…バルくん耳聞こえんくなったって…」
「嘘に決まってるやろ。アホが考えそうな事や」
「誰がアホやねん！この色白！」
「ほらな？」
「良かった〜。聞こえてるんやね」
「…あ」
「ほら、早よ行き」
「じゃあ、行って来ます！」
「気を付けてな」
「チパ！俺から離れたらアカン！」
「明後日の夕方には戻るから！」
「おん。合宿頑張りや」
「ありがとう！バルくん冷蔵庫に筑前煮作って閉まってあるから夕飯にユウくんと食べてな！」
「チーパーァァァ！！」
「たかが数日居らんだけやろ」
「黙れ！薄情者！」
「はいはい」
此処までの会話で約20分を費やした。
ご覧頂いた通り、末っ子三男のバルは真ん中次男のチパに依存しとる。
ガキの頃から優しくされて育ってきたから甘えが抜けへんねん。
まあ、只の依存やなくてそれ以上の感情も無きにしも非ずやねんけどな。
昨日の夜もそれはそれで酷かったわ…。
＊
「男が居るんやろ？」
「おん。男子校の軽音部の合宿やからねぇ」
「嫌。無理。合宿反対！」
「バルくんそんなん言わんといてよぉ…」
「俺と軽音部の奴等とどっちが大事やねん！」
「どっちも大事やで。バルくんは大切な家族やし、軽音部の仲間も大切なメンバーやもん」
「そんなん認めへん！俺は絶対反対やからな！」
「…バルくん…」
結局バルは最後まで頭を縦に振らんくて、チパが出掛ける寸前まであんな感じで駄々捏ねてたって訳や。
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作者名：あおねこ | 作成日時：2016年6月15日 1時
