【＊BluE＊】 (ページ26)

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ーーと、思てたんやけど…、
開くドア反対側やし乗客も想像以上に乗って来た。

誰かに後ろから背中を押され、更に俺の身体は彼女と近付く形になってしまった…。

後一駅分、このままの状態を保たなアカンのか…。

＊

［○○～。○○～］

漸く下りる駅に到着した。

ドアが開いて、目の前の女子高生が下りて行く。

同じ駅やったんやな。

改札口へ向かおうと歩き出したその時、

「すみません…！」

って後ろから声を掛けられ、
振り向いてみるとさっきの女子高生やった。

真正面から見る彼女はメチャクチャ可愛くて、どことなく今朝の占いコーナーの女の子に似ていた。

「あの…、少しお時間ありますか？」

……え？時間？

何でやろ？？

もしかして……痴漢と勘違いされた！？

さっきのアレ(背後から壁ドン)の時、匂い嗅いでもうたから！？

……セクハラになるんかな…？？

ちょ、アカンって…！！
この流れ、絶対駅員に連れて行かれるパターンなんちゃう…！？

違う違うっ！！俺は痴漢なんてしてへんよ…！！

「あの…」

「…ち、違うねんで？全部不可抗力やねん…！」

「……え？」

嗚呼っ！！俺は何を言うてんねんっ！！
キョドったら余計怪しまれるやんか…！！

「…だから、その、」

「ボタン」

「…ぅへ？？」

突然の台詞に思わず変な声が漏れた。

……ぼたん？？
……ちかんやなくて？？

＊

「ああ！そうやったんや！」

「はい。電車の中でずっと気になってて」

「俺はてっきり…」

「…え？」

「いや、何でも無い。あはは」

痴漢と勘違いされたんや無くて本間良かった…。

俺は今、駅のホームのベンチに座って、女子高生に右腕の袖のボタンを縫い付けて貰っている。

彼女は電車で俺のシャツの取れ掛かったボタンがずっと気になっていたらしい。

そう言えば今朝着替えてた時、後で直せばええかって放置してたんやった。

てか、ソーイングセットを持ち歩いているなんて、女子力高くて高ポイントやな。