＊４＊ ページ19
「りょーちゃん一人になんてでけへんもん！帰り道何かあったら心配や…！」
「章ちゃん大丈夫やから」
「私も一緒に帰る！たっちょんもそれでええよね？」
「おん。構へんで」
(アホか、忠義！こんなええ機会無いで！？)って心の中で思う自分が居るけど、やっぱり一番は章子にとって格好良い彼氏で居りたいから。
「ありがとぉ！それじゃあ、りょーちゃん家までおんぶお願いできる？」
「ちょっ、そこまでして貰わんでもええってば…！/」
章子にしたら人助けでも、亮ちゃんにしたら罰ゲーム的な感覚なんやろな、きっと。
でも結局は章子に弱い亮ちゃんは俺に自宅まで背負われる形に。
帰る途中、背中から小さい声で何かブツブツと聞こえて来たけど聞こえない振りをしてあげた。
章子と亮ちゃんの家はお隣同士やから帰る道が一緒で楽やった。
「…送ってくれて、ありがと…/」
「どう致しまして」
「りょーちゃん、足お大事に。また明日ね！」ﾌﾘﾌﾘ
「ありがと！またね！」ﾌﾘﾌﾘ
亮ちゃんが家に入るのを確認してから、次は章子を家の前まで送る。
たった数歩でしか無いけど、やっと二人だけの時間や。
「章子、手出して？」
「え？ はい」ｽｯ
ぎゅ。
「たっちょん…？」
「送るまでやけど繋いで帰ろうや」
「うん！」
章子と初めて手を繋ぐ。
俺と一回り位違う女の子らしくて小さな手。
いつかは恋人繋ぎなんかしてみたいわ。
「…あの。今日はほんまにありがとね！」
「礼なんてええよ。章子が無事やった事が大事やねんし」
「あの時のたっちょんメッチャかっこよかったで！」ﾌﾌ
口元に手を当てて笑う仕草が可愛過ぎなんですけど！
「あ〜ぁ、もう着いちゃった…」
「俺ももう少し歩いてたかったわ」
「残念だね…」
「残念やな…」
少しの沈黙の後、「それじゃあ…」と章子が口を開く。
「おん」
「また明日ねっ！」ﾌﾘﾌﾘ
「またな！」ﾌﾘﾌﾘ
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作者名：あおねこ | 作成日時：2016年6月15日 1時
