スノスト 病気怪我 短編から〜 11

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side渡辺



『おかえり。照は？』




照と一緒に診察室に入った目黒が一人


鼻の頭赤らめながら出てくるもんだから



ギョッとしつつも隣の空席を叩く。




目『靭帯やっちゃってて、…あと軟骨損傷ってやつ、ずっとしてたかもって、

そんな感じありましたかって聞かれたけど俺よく分かんなくて、それで、っ、』



『落ち着け、大丈夫だから。』


目『処置するからって、だから、出てきたんだけど、』




どうしたのか



普段はあんなに男気溢れた目黒が


弱々しく涙の膜なんかつくって俺の目見るから




なんか俺も鼻の奥がツンとしてしまって慌てて誤魔化した。




『前からって、あいつ隠して無理してたってことだろ？


じゃあ怒ってやんねぇとな？

ほーら泣いてっとあんま怖くないぞ。』





ティッシュで鼻をゴシゴシしてやると


泣いてないなんてやっと笑うから




どうやって怒ってやろうか、


そんな話をしながら2人照を待った。




．





．



岩『…ごめん。迷惑かけて。』



車椅子に乗った照がしょんぼりした顔で見上げてくる。



『俺ら怒ってるから。』


岩『…ん。』






あ、ちなみにここ俺んちね。


もうめんどくさいから一番近かった俺の家に3人まとめて帰ってきたんだけど。





目『…すぐ言って欲しかった。』


岩『ん、ごめん。』



目『…なんで我慢してたんですか。』


目『下手したら歩けなくなってたかもなんすよ！？』





段々とヒートアップしていく目黒に


ごめんと言い続ける照




『目黒。それくらいにしてやって。』




岩『…ほんと、ごめん。』



『照も。もういいから。』





家主であるはずの俺が何故だかアワアワしてんの


笑えるな。





別に喧嘩してるわけでも無いのに


超居心地わりぃんだけど。




目『なんかあったらちゃんと言うって、約束してください。』



目元を拭いながら照を真っ直ぐに見つめた目黒




岩『分かった。』



そんな目黒を見上げた照が薄く笑って




翔太にもっと怒られると思ってた、


なんて笑って俺をみる。




『そんな怒って欲しいなら今からでもいけるけど。』



岩『いや……いいです、それは、あの、』



珍しいタジタジな照




たまには見下ろすのも悪くないな


そんな彼をみてふとそう思った。

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