スノスト 病気怪我 短編から〜 11

EP.26 リク-阿部 熱 ページ1

side阿部


『わぁっ、』

目『うおっ、あ、阿部ちゃんか。おはよ、』



部屋に踏み込んだ瞬間、正面衝突しそうになった相手は目黒で



おはようと言うや否や

そそくさと俺とドアの間をすり抜けてった、



けどそれも理由は中を覗くとすぐに分かって。





『おはよ、ラウールどしたの。』


佐『あ、おはよ阿部ちゃん。なんかラウ熱っぽいんだって。』




そう言う佐久間の視線の先には

いつもに増して翔太にべったりなラウール。



熱で甘えたさんになってる大きな赤ちゃんをあやすかのように

周りには照とふっかと康二もいて



ひっつかれてる翔太だって

普段はしないような甘々の顔でラウの背中を撫でてる。






『ふぅ〜ん…そうなの、、』



学校も仕事も忙しくしてたもんなぁ、なんて

最近のラウの様子を思い返せば納得するけど



ちょっとだけ冷たくしちゃったのは許して欲しい。






実は俺も、ちょっと体調不良気味で。




というのも朝測ったら熱が38°C近くて


症状としては頭痛がするくらいだけど。








なんとなく言い出せない雰囲気だなぁ


そう思って俺は静かに椅子に座った。









宮『１時間だけずらしてもらえたよ。』


スタッフさんのところへ行っていたらしい舘さんが帰ってきて




目『ただいま帰りました〜。えっと、これとこれが…』


近くのコンビニまで買い出しに行っていたらしいめめも帰ってきて




一気に忙しなく動き出す楽屋。







幸いにも、佐久間と舘さんもお世話チームじゃなくて


俺と一緒で遠くから見守るチームだったから良かった。




何もしていない俺が変に悪目立ちしないようにっていう

2人のささやかな優しさなのかもしれないけど。






そんな2人に甘えて俺は


小さく小さく息を吐いた。




俺の口から出てった息はやっぱり少し熱かった。

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