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岸くん、遅いな…
オフィスタワーのエントランスホールで待つこと30分。
定時はとっくに過ぎているけれど、まだ岸くんの姿はない。
残業はしないと思うって言ってたんだけどな…
やっぱり仕事が立て込んでいるのかもしれない
【まだかかりそう？】
【急がなくていいから、
「…あ、」
メッセージを打っていると、視界の端にエレベーターを下りてくる人たちが見えた。
その中に岸くんの姿もある。
かけよろうとして、一歩でた足が止まる。
「いやっ！勘弁してくださいっす、！！」
「なにがよ、余裕でしょ」
「っダメっす、これは、ほんとに…！」
「もう…分かったわよ、」
楽しそうに談笑する姿が気持ちとは反対に目に焼き付いた。
自信ありげに微笑む彼女のスカートが、視界の端で揺れている。
「今日もお疲れ様でしたっ！」
「はいはい。……ぁ、ねえ、」
律儀すぎるくらい深く彼女に頭を下げた岸くん
その姿を見つつ、エントランスに歩きだそうとした彼女がふと、立ち止まった。
細くすらりと長い腕を上げたハチヤさんは、まるでそれが
当然のことのように、岸くんの髪を撫でた。
瞬間に、ﾊﾟﾁッとなにかがわたしの中で外れた音が聞こえた。
「えっ…！」
咄嗟のことに、岸くんも慌てて自分の頭を触る。
またセットしたのを忘れちゃってるのか、すぐにくしゃくしゃになってしまう前髪。
「＿＿＿＿から、……ってたわ。」
「あぁぁ…！マジっすか！あざす、！」
「じゃ。おつかれ。」
二言三言、挨拶を交わした2人は何事も無かったかのように別れる。
ハチヤさんはエントランスの方へ
岸くんはその場できょろきょろを辺りを見渡して、
「…！！」
わたしを見つけるとぱっと笑顔になってくれる。
それだけでもすごく嬉しいはずなのに、
幸せなのに、
いまのわたしはそれだけでは満足できないみたいだ
「Aさん、！！マジでごめん、めっちゃ待たせた……」
「ううん、大丈夫だよ。それよりね、…」
「んっ？？」
「ごめん、会議室に…忘れもの、しちゃったみたい」
「えっ！まじ？大事なやつ？取りに行きましょっか！」
「…ごめんね、」
「ぜんぜん！」
岸くんとオフィスの方へ戻る道すがら考えていたのは、どこなら二人になれるだろうということだった。
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きゅん - 担降りしたとか、忙しくなったとかですかね？だと良いんですけど。。元気でいらっしゃることを願っております。 (2023年3月8日 2時) (
レス) id: 51fa7197f2 (このIDを非表示/違反報告)
きゅん - 琉叶さん、大丈夫ですか？💦大丈夫というか、お元気ですか？🥺急に途絶えてしまったので、心配です、、 (2023年3月7日 13時) (レス) id: 51fa7197f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 更新ずっと待ってます。ほんとにほんとに大好きです。 (2020年11月15日 23時) (レス) id: 572714d195 (このIDを非表示/違反報告)
lilly(プロフ) - 1番と言っても過言ではない程好きな作品なので更新待ってます！！！ (2020年9月9日 0時) (レス) id: 781d1e2d46 (このIDを非表示/違反報告)
倖 - 更新楽しみに待ってます。 (2020年4月24日 4時) (レス) id: 825a5581ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琉叶 | 作成日時：2019年7月4日 2時
