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永瀬から聞いたのは駅前の画廊だった。
小さな一軒家を改装して作ってあり、木枠で囲われたガラスの扉には気泡が入っている。
まるで水の中のように見えた。
「永瀬、」
「おお。場所すぐ分かった？」
「うん。」
玄関で立って待ってくれていた永瀬は、すぐ私を中へ通した。
画廊の中には数人の女性しかおらず、みんなそれぞれに写真や展示を見つめている。
その中に、所在なさげに立っている黒い人がいた。
「平野紫耀」だった。
居酒屋で初めて会ったときとは髪色が変わっていて、今は輝くように透ける金髪になっている。
さらさらと流れるストレートな髪は、猫の毛並みのように綺麗だった。
あの時と同じように、また、光ってると思った。
「しょう、」
「ぁああ…、きてくれたんや、」
永瀬が呼びかけると、ふいっとこっちに顔を向けた。同時に髪がさらりと揺れる。
唇が口紅を塗っているみたいに鮮やかにピンク色をしていた。
「Aさん、すいません、急に」
「いや…全然、私も見たかったから。」
掠れた声を耳が拾った途端、離れなくなった。いつまでも共鳴する、サイレンのように。
「廉が呼べ、ってうるさいから」
「なんでやねん、しょうも見てほしい言うてたやん」
言い合う二人をよそに、私は一枚の写真に目が吸い寄せられていた。
スポットライトの下で踊る、「平野紫耀」の写真。
金色の衣装を纏って、舞台の下で燦然と輝いている。
アットウテキ、という言葉が頭に浮かんだ。
いつか、「平野紫耀」が私の絵を見て言った言葉。
強く射抜くような目が舞台の一点を見つめている。
飛び散った汗がスパンコールのように照明に反射していた。
「A、この写真好き？」
「…うん。なんか、わからんけど、好き」
「やって、しょう。よかったな」
「平野紫耀」は永瀬に何か言うように促されたが、それが聞こえなかったのか、何も言わず写真を眺めている。
「これ、有名な写真家の人にお願いして撮ってもろてん」
「…へぇ、」
「構図とか、結構注文出して。な？しょう」
「平野紫耀」の写真なのに、永瀬ばかり私に説明してくれた。
自分のことのように彼について話す永瀬は、自慢げでとても楽しそうだった。
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ふてぃか(プロフ) - 忙しいと思いますが更新待ってます ！ (2019年8月16日 17時) (
レス) id: 6381a07ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琉叶 | 作成日時：2019年3月24日 1時
