８羽：誘拐＿Ｓｉｄｅさとし ページ10
あの後は特に何もなく、ご飯を食べて少し話したり宿題をしたりお風呂に入ったりしてから寝た。今日は学校だし、ひめちゃんにも会えるし！昨日の事は時々思い出すけど、顔が熱くなるだけで特に支障は無かった。
ブラックの様子もいつも通りだし、本当に無かった事になっているらしい。その方が二人にとっては都合が良いからだろう。俺もちゃんと忘れなきゃ…。
「さとしくん、今日はどんなの撮りましょうか？」
いつもの口調で問うた彼にうーん…と首を捻っては『メントスコーラで空を飛んでみた！とかどう？』とふと思い付いた事を述べる。彼は苦笑気味に「途中で燃料尽きて墜落しますよ」と言った。確かに、コーラが尽きたら飛ばなくなるし、危険っちゃ危険なのかもしれない。『えーッ…じゃあ何するの？』と拗ねたように唇を尖らせては問う。すると、急に体が浮いた様に感じると共に腹部へと衝撃が走る。知らない誰かに攫われて居るのだと気付いた時は既に車の中だった。ブラックも突然の事に驚いた様に自分の周りを囲んでいるおじさんを見ながらも此方を気にしている。すると其処へ「恋の試練発生、恋の試練発生！」と脳内に響き渡った。するとお札が光り出し、俺の背中に張り付く感触がした。
ガムテープで口を塞がれている為言葉を発する事は出来ないが、ほんのりと温かいソレは少しだけ安心出来るような温度であった。
「ぐへへ…こんなカワイイ小学生を拝めてそして俺のモノに出来るなんて最高だぜｪ…」
俺が辺りを見回していると、小太りなおじさんが俺の足を撫でながらそう述べた。気持ち悪くて、怖くて、泣きそうになった。その時に思い付いたのはやはりブラックの事だった。
これ以上触られない様に、と走行中の車の扉に体当たりするも開く気配はなく、ただ後ろから知らないおじさんに誘拐されているという恐怖をじわじわと味わうだけだった。
「逃がさねーよ、ばーか」
おじさんは俺を抱き寄せるとそう囁いた。
もうダメだ…そう思った時だった。
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庭主ゆゆし(プロフ) - 冬夢さん» コメントありがとうございます！ブラさといいですよね…！此方こそありがとうございます！ (2021年7月17日 20時) (
レス) id: 7ceaf3da22 (このIDを非表示/違反報告)
冬夢 - 初コメ失礼します！めっっっっっちゃ好きです！応援してます！！ブラさとに飢えていたんでとても助かりました！！！！！ありがとうございます！！ (2021年7月13日 23時) (レス) id: 11006f1e35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：庭主ゆゆし＠ﾌｪﾝﾘﾙΩ | 作成日時：2021年6月16日 13時
