４羽：夢実＿Ｓｉｄｅブラック ページ6
夢の中でそー…っと目を見開く。するとそこには予想だにもしない世界が広がっていた。
『オレちゃんが…沢山居ますね。』
キョロキョロと辺りを見回す限り、全て自分や極稀にひめちゃんが混じっていたりして、その中心でさとしくんがオレちゃん…の分身のブラックと数人のひめちゃんに囲まれ、褒められ、モテている世界だった。少なくともこの状況下ではオレちゃんに褒められてさとしくんは嬉しがっている…という判断も下せるため、現実でももう少し褒めてあげよう…なんて多少の同情心を覚えた。
…と、今はそんな事はどうでも良くて。取り敢えずさとしくんに会いに行くため夢の中のオレちゃんを蹴散らして一番大きい声でさとしくんの名前を呼ぶ。すると周囲に居た偽ブラックや偽ひめちゃんはは消え、彼も此処が夢だと理解したらしい。「ブラック！」とオレちゃんの名前を呼ぶとその場から瞬間移動するように此方に来た。
『使いこなしちゃってますねぇ、明晰夢。お元気でした？』
けら〃と笑いながらさとしくんに問うと、頷いては又何かを思念するとオレちゃんに猫のような尻尾や耳が生えてくる。「へへへ、此処ならブラックも色々出来るみたい！」と嬉しそうに笑ってはオレちゃんを優しく撫でた彼に『本来の目的以外で使用しないでください』と冷静に返すと、突然ガクン、と膝に衝撃が走り、強制的に跪かされる。
「うわぁ、なにこれ！？」
夢の主であるさとしくんさえもがこの状況に理解が追い付いていない様子で困惑した様にオレちゃんを見る。分からないの意を込めて首を横に振ると、「わわ、すみませんいつもの癖で！」と中性的な声が聞こえて来る。その声は昨夜聞いた声と同じものだった。
『貴方は…昨日の恋を実らせたい方ですか』
漸く消えた重力の様なモノにやれやれ、といった様子で首を振っては顔を上げると其処には昨夜見た人が居た。その事実にさとしくんも驚いたように目を見開いては「昨日の人だ…！」と無意識の内に零していた。これもまた無意識の内か、すり、と懐いている猫の様にさとしくんに擦り寄ってしまう。決してオレちゃんの意志では無いんですよ？
「正解ですわ！私は夢実A…貴方方御二人の恋を実らせたくて来ました！」
「『は(ぃ)……？』」
夢実と名乗ったソレの発言に首を傾げた。そして二人…オレちゃん達は首を傾げた儘顔を見合わせた。
その瞬間にまた重力が作用した時には、もう遅かった。
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庭主ゆゆし(プロフ) - 冬夢さん» コメントありがとうございます！ブラさといいですよね…！此方こそありがとうございます！ (2021年7月17日 20時) (
レス) id: 7ceaf3da22 (このIDを非表示/違反報告)
冬夢 - 初コメ失礼します！めっっっっっちゃ好きです！応援してます！！ブラさとに飢えていたんでとても助かりました！！！！！ありがとうございます！！ (2021年7月13日 23時) (レス) id: 11006f1e35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：庭主ゆゆし＠ﾌｪﾝﾘﾙΩ | 作成日時：2021年6月16日 13時
