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高校一年生。



梟谷学園入学式を終え、ホームルームを終えると、

廊下を走ってくる音と共に、大きな声が聞こえる。



兎「A〜〜!!!どこだ!!」



うわぁ…

光ちゃんが私を探してる。


3組だよってメールしたけど、見てないやつだ。



兎「あ!お前はアカシ!」


赤「赤葦です。春休みぶりです」



同じクラスの赤葦くんは、春休みからバレー部の練習に参加してた子だ。


光ちゃんから聞いてたアカシくん、赤葦くんのことだったんだ。



兎「むむ!Aも発見!!同じクラスいいなぁ!」


「光ちゃん声大きいよ〜…恥ずかしいから…」



案の定、クラスの皆はザワザワとこっちを見てる。


そりゃ、去年も全国行ってるバレー部のエーススパイカーが、急に教室来たらびっくりするよね…。



兎「今日はどこも部活ないから帰ろ!A!」


「うん、帰ろ帰ろ。…えっと、赤葦くんはお家近く?」


赤「……いや。お気遣いなく、お疲れ様です」



赤葦くんは、ぺこっと頭を下げてスタスタと帰って行った。



なんか…掴めない子だなぁ。


冷静な感じするから、光ちゃんとは相性良さそうだけど。



私は、注目を浴びる光ちゃんの背中をグイグイ押しながら教室を出て、下駄箱へ向かう。



兎「女バレ、どう?上手くやってけそ?」


「うん、先輩たちも良い人だし大丈夫だよ」


兎「ならよかった!」



女バレは、入学式の1週間前からスポーツ推薦の子達を混じえて練習が始まった。



本当は新山女子にいくつもりだったけど、

なんだか自分にはチームの雰囲気が合わなくて。



バレーは好きだけど、「大好きになれるメンバーと楽しんでやりたい」っていうのが、私のモットー。


だから、光ちゃんもいて雰囲気も良かった、梟谷に決めた。



「光ちゃんは?1年生どう?」


兎「あかーぁしが良い奴!」


「みたいだね!」



セッターだと聞いたし、光ちゃんと相性いいならよかった。



兎「今日は?河川敷行く?」


「うん、いいよー。帰ったら着替えて行こうか」


兎「へへ!」



光ちゃんは突然、

私を上から下まで見つめて、満面の笑みを見せた。



「どうしたの?」


兎「…やっと来たな!高校!」


「…!うん!すぐ追い付くよ!」


兎「だがしかし俺も日々成長するのである!!」


「あ!ちょっと走るのずるい!!まって!!」



走り出した光ちゃんの背中を、私は笑いながら追い掛けた。

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作者名:ゆずの | 作成日時:2024年2月23日 22時

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